現場で医師が救命「ドクターヘリ」その重大な任務 銃撃された安倍元首相の搬送時にも出動した
HEM-Netホームページによると、ヘリコプターには、心電図モニターや脈拍、呼吸などを観察するモニター、心停止した人の心臓を正常に戻す医療用除細動器、血圧計、超音波検査装置、血液中の酸素量を測るパルスオキシメーターなどの医療機器や、酸素ボンベ、シリンジなどの医療器具、医薬品などが搭載されている。
ランデブーポイントは学校の校庭や駐車場、公園などが選定されており、HEM-Netの調査では1つの基地病院あたり625カ所となっている(2017年3月末時点)。なお、ドクターヘリの出動要請は消防本部が判断するものであり、救急車と違って、個人でドクターヘリを呼ぶことはできない。
今回の事件が起こった奈良県のドクターヘリの状況はどうか。
同県で運航が始まったのは、2017年3月21日。片道15分以内で県内をカバーできる(奈良県庁ホームページより)。ヘリが待機しているのは吉野郡大淀町にある南奈良総合医療センター、基地病院は橿原市にある奈良県立医科大学附属病院だ。出動要請があると南奈良総合医療センターからフライトドクターやナースが乗り込み、ランデブーポイントへ、そこから奈良県立医科大学附属病院へと搬送する、という流れになる。
出動要請の「基準」は?
では、どのようなケースだと、ドクターヘリが出動要請されるのか。篠田理事長が答える。
「消防本部がドクターヘリを出動要請するときの基準は、それぞれの都道府県の運航調整委員会によって定められています」
奈良県の要請基準は、奈良県立医科大学附属病院が作成した「2018年度奈良ドクターヘリ運航実績報告書」に掲載されている。
繰り返しになるが、一般的にドクターヘリの出動要請は、「119番覚知キーワード」と「救急隊接触時判断」の2つ。前者はさらに外傷、呼吸循環不全、心肺停止、脳卒中などにわかれている。
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