｢ちむどんどん｣なぜ暢子の恋を応援できないのか 6月27日から3週間かけたラブストーリーが不発

ここまでのストーリーは4人全員が純粋さを感じさせ、それぞれの恋を応援したくなるムードがまだ漂っていました。しかし、なぜかこれ以降は「純粋」というより、「自分勝手」と思わせる言動が目立っていきます。

順番に見ていくと、まず暢子は和彦への恋心に戸惑うあまり、調理中の肉を焦がし、客前で転んで料理をぶちまけるなど、仕事で迷惑をかけまくるひどい状態。そのうえ、智の好意には気づいていて、「今、忙しいから」と逃げるばかりではっきり断りませんでした。

その一方で愛には、「うち、和彦くんのことが好き。自分でもずっと全然気づいてなかったけど、好きって分かってしまったわけ。でもさ、あきらめる」とわざわざ告白。さらに「愛さんに嘘はつきたくないから全部言ってしまいたくて。困らせるようなこと言ってごめんね」という言い訳のようなセリフに、「困らせることがわかっているなら言うな！」などの不満がネット上に挙がっていました。

暢子は智からプロポーズされたときも、「智がうちに感じているのは愛情じゃなくて友情」「うちは料理に集中したい。自分の店を持つという夢もある」などの理由を挙げて断りつつ、最後は「うちは嫌」とはっきり拒絶。視聴者の頭に、「愛には和彦への好意を伝えたのに、智には伝えないズルイ女」「和彦への恋心に気づいてすぐ智に伝えておけばこれほど傷つけずに済んだ」という疑問を抱かせてしまいました。女性同士で見ても、男性から見ても、「それはないだろう」と思わせてしまったのです。

男性2人は「嫌われ者」と「論外」

次に和彦は、「僕は愛の意思を尊重する。『女性も自分自身の意志を、人生を選ぶべきだ』っていつも言ってるじゃないか」と結婚話を愛に丸投げ。さらに不安な愛から「他に好きな人がいるの？」と尋ねられると、「何言ってんだ。そんなわけないだろ」と否定した反面、暢子を海に誘ったり、包丁で切った指を握ったりなど、自ら距離を縮めようとしました。

智が角力（相撲）大会で優勝したら暢子にプロポーズすることを知ったときも、それを阻止するために倒れるほど必死に戦い、けっきょく敗北。それでも愛に「（結婚話は）全部なかったことにしてくれ。ごめん、愛と結婚する資格はない」と伝えました。その言動は身勝手なだけでなく、タイミングも順序も滅茶苦茶。ここまで和彦は周囲に流されるばかりで自ら動こうとしませんでしたが、愛と別れたことで初めて行動を起こします。