コーヒーを「適量飲めば病気リスク減る」は本当か 急に断つと出る「風邪に似た離脱症状」に注意

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また、死亡リスクの減少との関連も報告されています。例えば、17の研究をまとめたメタ分析という手法を用いた論文では、1日3〜4杯のコーヒーが16%の死亡リスク減少と関連していたと報告しています。

このように、コーヒーには、健康につながる役割がある可能性があります。ただし、因果関係まではわかっておらず、コーヒーを飲むことで本当にこれらの病気を減らせるかまではまだわかっていないことに注意も必要です。コーヒーを飲む習慣のある人には、何か別の理由があって、それが健康につながっている可能性などが否定できないのです。

うつ病にも効果がありそう

さらに、コーヒーには身体の健康だけではなく、心の健康への効果というのも期待されています。例えば、うつ病予防の効果です。

うつ病の予防効果を示唆した研究として、うつ症状のない、さまざまなカフェイン摂取量の女性約5万人を対象に、10年間のカフェイン摂取量やその他の食事摂取の変化を追跡調査したものがあります。

この調査では、全体で2607人にうつ病の発症が確認され、そのうつ病を発症した人たちのカフェイン摂取量の傾向が調べられました。

すると、週に1杯以下のカフェイン入りコーヒーを飲む女性と比較して、1日に2~3杯のカフェインを摂取する女性は、うつ病のリスクが減少するという関連性が確認できました。

一方、カフェインレスコーヒー、カフェイン入りの紅茶、チョコレートの摂取についても関連性が調べられましたが、それらとうつ病のリスクとは関連は見られませんでした。つまり、カフェイン入りのコーヒーにこそ効果があるかもしれないのです。

これらの結果から、もしかすると少なくとも女性は、カフェイン入りのコーヒーを飲む習慣があるほうがうつ病リスクが減る可能性があります。しかし、この記事を読んでいるのがもし男性であれば、残念ながら男性についてはこの研究からは何も言えないということになります。

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