「スマホをいじってばかりの人」のあごが危険な訳 長期のマスク生活で顎関節症に気づかないことも
①口を動かすと耳の前にあるあごの関節から「音」がする、②顎関節や頬やこめかみあたりの筋肉に「痛み」がある、③十分に「口が開かない」、これらの症状が1つ以上あれば顎関節症と診断されます。全国2500万人が顎関節に異常があると推測され、生涯で2人に1人の割合で顎関節症にかかると言われてきましたが、コロナ禍になり世界的に顎関節症は急増しています。
アメリカ歯科医師会の報告では62%の歯科医師が顎関節症の症状の増加を認識しており、厚生労働省ではまだ正式な統計はないものの、日本でも顎関節症の増加を指摘する歯科医師は多く、筆者が院長を務める埼玉・志木の幸町歯科口腔外科医院でもコロナ前より2割ほど患者さんが増加しています。
コロナ禍での顎関節症の特徴は、重症化してから受診する人が増えていること。これはマスク生活になり口を開ける機会が減り、顎関節症になっても気がつかず放っておいて悪化してから自覚する人が多いためです。
「コップから水があふれるとき」に顎関節症になる
顎関節症はあごへのさまざまな負担が許容量を超えたときに発症します。そのメカニズムは、コップと水の関係に例えられます。目の前に空のコップがあるとイメージしてください。
コップに水を少しずつ注ぐと、少しずつ水が溜まります。注げば注ぐほど水が溜まり、コップいっぱいになってもさらに注ぐと、ついには水があふれます。多くの人は最後に注がれた水(負担)だけが原因と勘違いしてそれを取り除こうとするのですが、どの負担でも軽くして、最終的にコップから水があふれさえしなければいいのです。
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