ディズニー大転換「入園者数引き下げ」戦略の背景 昨年就任の吉田社長が明かすパークの課題とは
――コロナ禍では2020年2月末から6月末まで4カ月間の休園があり、その後も大幅な制限の下で営業してきました。どんな苦労がありましたか。
休園は東日本大震災以来だった。震災時は1カ月強で、これほど長期にわたったことはない。従業員にどうゲストを安全に迎えるか考えてもらい、ディスタンスを保つラインを引き、飲食施設ではテーブルにシールドを立てる、消毒液をどこに置くか決めるなど、さまざまな安全対策を講じてきた。
私はフード本部長を務めていた。日々のメンテナンスが必要で、運営を止めると再開まで時間がかかる。アトラクションと同様に、フードも一定程度機器を動かしていた。食材や商品の仕入れは相手方もあるので簡単にはいかなかったが。「そろそろ再開できそう」というタイミングで準備を加速することを繰り返してきた。
入園者数制限で見えてきたこと
――5月に公表した中期経営計画では、1日当たりの入園者数の上限を抑える方針を打ち出しました。なぜコロナ前とは違う戦略を打ち出したのですか?
コロナ以前、入園者数が非常に多いときでも、ゲストのアンケートによる体験価値、「また来たい」という再来園の意向は高いレベルだった。ただ、ゲストの体験価値をさらに、どう高めていくか考える中で、入園者数の上限を引き下げる可能性について議論はしていた。
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