テレビの「選挙特番」を覆った“安倍氏死去"の影 衝撃事件を受け異例のスタイルを余儀なくされた
参議院選挙は与党の圧勝に終わった。
一方でNHKと民放各局が放送した「選挙特番」の世帯視聴率は、昨年10月に行われた衆議院総選挙の時と比べて「低調」だった。
各局とも世帯視聴率は昨秋の衆院選に比べ低調
各局の開票直前から21時までの世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ)は、NHKが昨年の総選挙が17.7%だったのに対して今回は14.4%と3ポイント以上下げている。
以下、日本テレビ10.8%→9.4%、テレ朝7.2%→7.0%、TBS6.2%→6.4%、テレビ東京7.6%→7.1%、フジテレビ7.6%→5.7%と、TBSがわずかに数字を伸ばしている以外は軒並み「減少」しているのだ。
すべての局を合計した「選挙特番・総合視聴率」は昨年の総選挙57.1%から、今回は50.0%とおよそ7%も下がっている。
政権を選択する選挙である衆議院総選挙とは一概に比較はできないが、それを差し引いても、今回の参院選特番は各局とも「普段の選挙特番」とは明らかに違う雰囲気だった。
「いつもと違う雰囲気」の理由は、言うまでもなく「安倍元首相の死去」である。
投票日のわずか2日前、7月8日に安倍晋三元首相が応援演説中に銃撃され、命を落とした。
41歳の容疑者による決して許されない犯行によって、8日のテレビ各局は午後から事件の報道で一色となった。
テレビだけではない。ネットに流れるニュースも「安倍元首相撃たれる」という見出しで覆われた。
午後5時過ぎに「死亡を確認」との報が入ると、以降、局によっては深夜近くまで事件と安倍元首相に関するニュースを放送し続けた。
翌9日も、テレビ各局は事件を振り返り、容疑者の犯行動機や警備体制などを取材した。そして安倍元首相の政治家としての歩みを詳細に報じていた。
アメリカのトランプ前大統領を始め世界各国からの「弔意コメント」も続々入っていた。
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