「梅雨が短い」と7月の株価が堅調になる納得事情 夏の暑さと消費行動はどう関係しているのか
なぜ、このような結果となるのでしょうか。梅雨が短ければ、7月は天気が良い日が増えて気温が高くなります。このため夏物消費が盛り上がるからと考えられます。それが景気を支えて、株高につながるのです。
気象庁では、関東・甲信地方の平年の梅雨明けは7月19日頃としていますが、今年は、それよりかなり早い6月27日となりました。今後は天気が良く気温が上がりやすい日が続くと予想されますから、今年の7月相場は堅調な相場が予想されます。
それでは、7月から8月までの2カ月間の相場はどうなるでしょうか。梅雨の日数が特に短い年の平均騰落率は1.64%と好調でした。この点から見ると、8月まで好調な相場が期待されます。ただ、“短い”と“例年並みか長い”は共にマイナスで、とりわけ“短い”のマイナスのほうが大きいことからも、単純に梅雨が短ければ株高とは言えなそうです。
例年7月まで梅雨がまたがりますが、8月は梅雨明け後になります。そうなると7月相場には影響を与えた梅雨も、8月の株式相場に与える影響は小さくなってしまうのです。8月の暑さと相場との関係を考えるなら、より直接的に8月の気温を使ったほうがわかりやすいかもしれません。
8月の真夏日の日数と株価の関係
そこで「8月に30度以上となる真夏日が何日あったのか」で、毎年の8月を分類分けして、それぞれの分類ごとに8月相場の日経平均株価を平均してみました。
結果から意外なことがわかりました。真夏日が“やや少なめ”となる8月が最も相場が堅調になるという結果です。平均すると0.6%とプラス傾向となりました。これに対して、真夏日が“かなり少ない”年の8月相場は-0.5%と株安ですが、“普通から多め”のほうが-1.2%と最も下落が大きいようです。真夏日が多いと株安。やや少ないと株高になりますが、あまりにも少なすぎると株安ということです。
“夏が暑いと夏物消費が盛り上がり株高”では説明できない結果です。これには2つの理由が考えられます。8月といえば、上旬に立秋を迎えます。今年の立秋は8月7日です。まだ暑い日も続く時期ですが、暦の上で秋を迎えます。アパレル業界を例にあげてみましょう。秋服は8月から店頭に並び始めます。しかし暑さが長引けば秋物の売れ行きは盛り上がりに欠けてしまいます。
それに、暑さ本番となる8月があまりにも暑すぎると、熱中症も気になり外出が控えらえます。これでは外食産業などの消費も下がってしまいます。8月になって残暑が厳しすぎると、むしろ景気や株価にはネガティブな影響を与えてしまうようです。
梅雨が短く、天気も良くなりがちな7月相場は好調ですが、8月になって残暑が厳しいと相場は下落するという、ちょっと複雑ともいえる関係を頭にいれて夏相場を乗り切っていきたいところです。
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