フランス人が再発見した「京都」にしかない魅力 外国人観光客が少ない京都で改めて感じたこと

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例えば、とても素敵なご夫婦が経営されているカフェ「かしや」。パリで6年過ごしたパティシエールの藤田怜美さんが作る美味しいケーキと一緒に、丁寧に注がれたコーヒーが味わえます。また、古民家のカウンターでワインと一緒に串揚げを食べる「串揚げとワイン おりじん」もあります。

アートの世界でも、京都ならではの展開を楽しめます。例えば、爲永清嗣さんが最近オープンした「ギャルリーためなが」も、素晴らしい融合です。蔵を改築した建物で、歴史を感じさせるシンプルな空間でありながら、現役のアーティストの展示もあるのです。

フランス人と日本人のカップル、ルシール・レイボーズさんと、仲西祐介さんが企画し、毎年春に開かれる日本ではめずらしい国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE」(今年は5月8日に閉幕)も、歴史的建造物や近代建築などさまざまな場所で作品を展示。伝統工芸やテクノロジーとの「コラボレーション」もあり、まさに京都の強みを最大限にいかしたイベントとなっています。

京都は「温故知新」の街

最近は、 日本人だけでなく、多くの外国人も「町家」を、自分たちのやり方で改築してリフォームして住んでいます。毎日の生活において美と伝統がつねに融合しているのが町家住まいの魅力のようです。

1年前に東京から京都への移住を決めた桑原茂一さんが言うように、「たとえ冬は寒くて夏は暑く、風通しが悪くても」、「改築した町屋で暮らす魅力に勝るものはない」のです。

京都出身で、大阪で働いている、ある若い女性が、京都は「温故知新」の街であることを教えてくれました。この単語の訳を調べてみると、「古いものを精査して過去を研究することによって新しいものを発見しようとする試み」という長い説明があります。これはまさに京都のことです。伝統と現代、歴史と現代美術が融合しているのです。

日本の美しさは本質的に、山、木、森、川などの自然と調和から生まれるものです。平安時代から神社仏閣が作り出した安らぎと、京都の庭園に見られる特別な苔は、今も残っています。

1日の終わりに、蛙や鳥の鳴き声に耳を傾けるだけで、すべてが宇宙に還ります。それは「心」にとって素晴らしい感覚です。何時間もそこにいて、ただその一部でいることができます。私たち人間も自然の一部であることを実感できます。

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