東京コア消費者物価指数は2.1%上昇と伸び率加速 コストプッシュ型インフレに金融政策は有効か

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全国の物価の先行指標となる6月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比2.1%上昇となった。伸び率は前月の1.9%から加速し、消費税率引き上げの影響があった2015年3月(2.2%)以来7年3カ月ぶりに2%台に乗せた。総務省が1日発表した。

エネルギー価格は21.7%上昇と依然高い伸び

生鮮食品を除く食料が前年同月比3.1%上昇と前月(2.5%上昇)から伸びが拡大した。エネルギー価格は21.7%上昇。政府による原油価格高騰対策の影響などで前月(22.3%上昇)から鈍化したが、引き続き高い伸びとなった。

1997年と2014年の消費増税の影響を除くと、都区部ベースのコアCPIは1992年11月以来(2.1%上昇)の伸び率となる。

物価高や円安への対応が参院選の争点に

エネルギーや原材料価格の上昇に伴う仕入れコストの増加を受け、企業が販売価格に転嫁する動きが広がっている。6月は即席麺などの加工食品や調味料、アイスクリームのほか、一部の外食チェーンで価格が改定された。帝国データバンクが約1700社を対象に6月に行った調査によれば、約7割の企業が4月以降に値上げを実施、または行う予定だと回答した。

7月10日投開票の参院選では物価高や円安への対応が争点となっている。立憲民主党は日本銀行の金融緩和策が物価高の背景にあるとして見直しを求めるとともに、消費税率の引き下げを主張。一方、自民党は原油価格や電気料金など個別対策で対応した上で、金融緩和政策は維持する姿勢だ。消費税減税には反対している。

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