三井住友フィナンシャルグループが29日開催した株主総会で、会社側提案による取締役15人の再任が可決された。傘下のSMBC日興証券を舞台にした金融商品取引法違反(相場操縦)事件を受け、米議決権行使助言会社が一部候補の反対を推奨していた。
SMFGの広報担当者によると、総会冒頭で太田純社長はSMBC日興の事件について謝罪した。議案採決では取締役選任のほか、剰余金処分案など2議案を含む会社側提案の3議案が全て可決された。脱炭素の取り組み強化などを求めた株主提案の2議案は否決された。
米グラスルイスは、SMBC日興の会長である川崎靖之氏は2020年から同証副社長を務めており、監督責任を果たしていないと指摘。また、指名委員会メンバーの国部毅会長と社外取締役5人は、川崎氏再任を選択し、新たな候補を提案しないなど指名委の機能には懸念があるとして、それぞれ反対を推奨していた。
会社側提案による15人の取締役候補は、全員が「再任」の位置付けで、新任候補の提案はなかった。
SMBC日興の事件について同証の調査委員会は24日、「証券会社の市場における役割や責務にもとる不適切かつ不公正な行為であった」とする調査報告書を公表。三井住友FGは28日、株主総会に先立ちSMBC日興による再発防止策の策定を支援するとともに、同社の経営管理態勢の課題について、真摯(しんし)に検証するとの考えを明らかにした。
国内外の環境非政府組織(NGO)とその代表者を含む個人株主は、脱炭素に関連する詳細な情報開示などを求める定款の変更を株主提案として提出していた。
(背景を追加して更新します)
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著者:伊藤小巻
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