ヘッドハンター直伝「成長し続ける人」見抜く質問 世界が求める「悪ガキ」はリスクを大切にする
さて、ここからが「成長し続ける人」を見分ける質問です。実際にそうなったときのことをリアルに想像しながらお答えください。
この問いに対して、「裏切り者の出戻りか」と苦々しく思ったり、「転職、失敗だったんだ、ざまぁないな」と嘲笑したりする気持ちがある人は、残念ながらいまの世界が求める人材、つまり悪ガキ的人材とは大きく乖離しています。
逆に、「まったく問題ない。外部で経験を積んで、より優秀になっているのだろうから、むしろ大歓迎しよう」というスタンスだとしたら、その人は世界が求める「悪ガキ」的リーダーになれる要素が大いにあると言えます。
一般に、「優等生」は「悪ガキ」の振る舞いに対して一様に厳しいのですが、「悪ガキ的要素のある人」は「悪ガキ」の振る舞いに対してそれほど厳しくはありません。
それどころか、「悪ガキ」的リーダーともなると、自らリスクをとるだけではなく、「リスクをとる人の大切さ」も知っています。誰でもリスクを取らなければ大きな成長ができないことを知っているからです。ですので、彼らはリスクを取ろうとする仲間をいつでも歓迎するのです。
転職も、1つのリスクです。そうであるならば、もちろん失敗することだってあります。ただ、仮に失敗だったとしても、リスクをとったという事実は変わりません。ですから、リスクをとることの大切さを知っている悪ガキは、「出戻り社員」を「頑張ったじゃん」と誉めることに抵抗を感じないのです。
リスクをとった経験を尊重するリーダーの元で鍛えられる組織と、そうではない組織――どちらが激変の時代に力を発揮できるかは、火を見るより明らかでしょう。
リスクを避けてきた人間に組織のかじ取りは無理
私がこのような考えに至ったのは、ヘッドハンターとして30年超のキャリアで出会ったリーダーたちの姿を見続けた結果です。
世界で目覚ましい活躍を見せている「悪ガキ」的リーダーは、例外なくリスクテイカーです。安穏とした環境でぬくぬくしている人は1人もいません。
私はヘッドハンターとしてクライアント企業から、「わが社の経営を担うのにふさわしい人材を探し出し、口説いてほしい」という命を受けるのがつねです。
私たちのクライアントである数百億円、数千億円を売り上げる企業を任せられる経営幹部は、リスクテイカーに限られます。なぜならば、困難に立ち向かい続けた経験を持つリスクテイカーのほうが圧倒的に強いからです。
彼らのような猛者がしのぎを削っているのが、ビジネスの戦場です。そんな苛烈な場面でのリーダーシップを、リスクをとることを避けてきた人物に託すのは、あまりに危険です。選択肢としても、考えることはできません。
絶えずリスクを取り、難関をいかにして乗り越えるかをつねに考え、心に火を燃やしながら、目標に向かって挑戦を続けた人間に信頼を置くのは、当然の帰結なのです。
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