坂上忍さん「保護活動を商売に」に込められた意地 犬・猫の保護ハウス「さかがみ家」が目指す未来

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インタビューで「さかがみ家」に対する熱い思いを語る坂上さん(写真:著者提供)
以前から犬猫の保護活動に取り組んでいた俳優の坂上忍さん(55)が、今年4月千葉県袖ケ浦市に動物保護ハウス「さかがみ家」をオープンさせた。
約4500坪の広大な土地を私財で購入し、その敷地に建物面積130㎡の母屋(犬部屋32畳、猫部屋20畳+キャットラン)と、2000㎡のドッグランを作り上げた。飼育放棄された犬や猫を引き取り、心身共に健康になるまで面倒を見て、里親に引き渡すのが役目となる。
「寄付やボランティアに頼らず、自力で利益を生み出し運営していく」と坂上さん。そこには日本の保護犬・保護猫を取り巻く現状を、少しでも改善していきたいという強い思いがある。「さかがみ家」は、どんな保護活動の未来を描いているのだろうか。
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――さかがみ家を立ち上げる原動力となったものは何ですか?

坂上忍(以下、坂上):僕は10年周期で新しいことを始めていて、次は何をやろうかと考えていました。40代には子役のキッズスクールを立ち上げて、バラエティーにも出演させていただきました。

物心ついた時から芸能界で仕事をしていたので、最後をどうしようかというのが自分の中にあって。この世界で終わるのもありですけど、これまでは選択の無い人生でしたからね。最後は自分で選択した仕事をやりたいな、とずっと思っていたんです。

僕はむかし悪い飼い主だった

ある日、飼い犬と接する彼女さんの姿を見て、「あっ、僕はむかし悪い飼い主だったから、もう1回やり直しができないかな」と思って、40歳過ぎてからチワワを飼い始めました。勉強のためにいろいろな方と話をしていくうちに、動物保護のことや現状などを知り「ああ、僕はたぶんこういうのをやっていくのかな」と思ったんです。その2つのタイミングが合いましたね。

僕はせっかちなほうで、たとえば還暦過ぎ、いわゆる定年退職してからのスタートでは絶対遅いと思っているんです。何かを始めるときには自分の体力が多少残っているうち、交渉する時にもまだ喧嘩できる気力が残っているうちにやらないと、中途半端で終わってしまいますから。それはダメだと思って、55歳でスタートしました。

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