坂上忍さん「保護活動を商売に」に込められた意地 犬・猫の保護ハウス「さかがみ家」が目指す未来

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――よくそういう話を耳にします。寝る間も惜しんでアルバイトやパートでお金を稼いで、自分の生活費も減らして保護活動に回していると。

坂上:保護活動は尊い行いだし、この子たちの目を見ればいくらでも頑張れる。寄付するほうだって同じような思いがあるから何とか成立しているけど、限界がありますよね。違う視点を持っている人たちが増える必要があるし、本来なら行政がやらなければいけないよね?というところで戦っていかないと。

動物愛護の精神が広がって、この何十年かで保護活動が進んでいるように見えますけど、だからといって「よし」と言えるのか、はなはだ疑問です。例えば「東京都の殺処分ゼロ」宣言も、「本当にそうですか?」という疑問があるし。実情が見えにくい面がありますよね。

これからは政治や行政に訴える

――「殺処分ゼロ」は、結局はボランティアが懸命に行政の施設から引き出して飼い主を見つけたり、保護団体などに移動させているからこそ実現しているようなものですからね。

坂上:生体販売をなくしたいと考える人も多いですけど、僕はものすごい現実主義なので、この国からそれがなくなることはないと思っているんです。「バイキング」をやっているときは、利害関係が絡むので行政や政治家の方に会うのは一切やめていましたが、これからは遠慮せずに陳情していこうかと。

何かをやるにしても時間がかかるけれど、そんな時間は僕にはない。だから、やれることをやろうと思っています。まずは、この千葉県から変えていこうかと。保護活動をされてきた方のなかには、僕みたいのは信用ならないと考える人も沢山いると思いますけど(笑)。

でも、これだけ長いこと活動をしているのに、横のつながりがこれほどない業界があることには驚きました。保護活動に携わる人や賛同する人を数えたら、そこそこの人数になります。これだけの民意を利用しない手はないでしょ?と思うんです。

信用されるかどうかは別として、僕なんかは保護活動で悪さをしたらすべてがなくなるので悪いことをしようがないし、何かやれば目立つので、それを利用してくれれば。それで横のつながりを作っていけたら、多少なりともスピードアップできるのではないかと思うんですよ。

庭で保護犬とたわむれる坂上さん(写真:著者提供)
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