ひろゆきが竹中平蔵に聞く経済学者としての実績 「元来の専門は設備投資」、アメリカで受けた衝撃

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ひろゆきさん(右、写真:本人提供)が竹中平蔵氏(左、撮影:今井康一)に直撃しました
日本一嫌われた経済学者・竹中平蔵。
現在パソナグループ会長を務める竹中氏は、〈派遣労働〉の象徴的な存在としては、多くの国民から嫌悪されています。
そんな竹中平蔵が嫌われる理由と背景を、今や日本を代表するインフルエンサーの一人である「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」設立者・ひろゆきさんが徹底追及する、最新刊『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』。今回はその中から、あまり知られていない竹中氏の経済学者としての実績に関して、一部抜粋してお届けします。
前回:ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか(6月24日配信)

経済学者・竹中平蔵の業績

ひろゆき:そもそも竹中さんって学者としてはどんな業績があるんですか?

竹中 平蔵(以下、竹中):経済学者としての元来の専門は「*設備投資」の実証研究なんです。設備投資には新古典派などの様々な理論があるわけですけども、私は「マージナルqセオリー」というのをアメリカで勉強して、それを日本とアメリカと韓国に当てはめて、その論文で博士号をもらってるんです。

(*註【設備投資】生産能力の拡大や経営の改善を目的にして、建物や機械などの設備に資金を使うこと。)

その次に「貯蓄」について研究しました。投資と貯蓄をやるとマクロ経済全体が見えるので、ジェフリー・サックスなどが開発した小型のマクロ世界モデルというのを使って、アメリカの政策と日本の政策がどのように協調するかということの論文や本を書きました。

最初の本である『研究開発と設備投資の経済学』でサントリー学芸賞をいただき、2冊目の『対外不均衡のマクロ分析』でエコノミスト賞をもらいました。そういった研究実績を基にして政策提言をやってきたんですね。

ひろゆき:マージナルqセオリーっていうのは簡単に言うとどういうものですか?

竹中:それをわかりやすく言うのは難しいのですが……例えばある人が「自動車をつくりたい」って思ったとき方法は2つあります。1つは、既存の自動車会社を買収する方法。もう1つは自分で新しい工場をつくる方法です。両方を比べて、もし新しい工場をつくったほうが収益率が高いとなった場合に、工場をつくることになる。こうした比較をするのが、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者のジェームズ・トービンが生み出した「トービンのqセオリー」というものです。この理論をさらに精緻化したものを、アメリカに留学していたときにハーバード大学のアンドリュー・エーベルという人が開発しました。と言ってわかります?

次ページひろゆきが設備投資のメカニズムを竹中平蔵に聞く
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