ひろゆきが竹中平蔵に聞く経済学者としての実績 「元来の専門は設備投資」、アメリカで受けた衝撃

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ひろゆき:所得倍増計画のことですよね。

竹中:はい、そうです。

ひろゆき:そういう数字に表れたのなら、今の日本も増税なんかしないで設備投資に向ければいいのに、何で増税してるんですか?

竹中:設備投資や成長だけが目的だったらそれでいいわけですが、社会保障や年金が必要ですよね。年金はお金が足りなくなっているから、今は年金の半分は税金を投入しています。それに他のことにもお金を使わなきゃいけません。設備投資だけではなく、例えば高速道路や新幹線だってつくらなきゃいけなかった。

ひろゆき:金のなる木をどんどんつくっておけば、あとでお金を持ってきてくれるんだから、長期的に考えたら先にバシバシ投資すべきなんですよね。設備投資を10年やった場合と、10年ほとんどやらなかった場合、10年後の税収金額と経済力はこれくらいですよって数字で出るじゃないですか。それを比較したら簡単にわかる気がするんですけど。

竹中:だからそれが実はレーガン大統領が出てきた際の「サプライサイド経済学」と言って、まず企業に対して大幅な減税をして、それで投資を促進しようとした。

ところがです。レーガンは、減税するための財源が必要になった際、他の歳出を削ろうとしたけど結果的に削れなかった。削れないのに、減税だけやってしまった。それで何が起こったかというと、減税だけやったがために財政赤字が増えた。財政赤字が増えると金利が上がる。金利が上がるイコール、ドル建て資産の運用利益が高いということだから、世界中の人がドルを買うわけですよね。ものすごいドル高。その結果、財政赤字に加えて貿易赤字、いわゆる「双子の赤字」になって、それでレーガノミクスは行き詰まるわけです。

経済というのは、まさに連立方程式みたいなもので、ここを改善すれば良いというのがわかっていても、同時に副作用のようなものが出てきてしまうんです。全体としてどのようになるのかを、その時々にきちんと議論をする必要があるんですね。

2人のアメリカ体験

竹中:ひろゆきさんも確かアメリカに留学された経験があるんですよね? アメリカに行こうと思った理由は何ですか。

ひろゆき:僕は1年浪人して中央大学っていう八王子の田舎の大学に入ったんですけど、ここにいてもあんまり面白いことが起きないなっていうのが何となく1、2カ月いてわかって。そんなときに、アメリカに留学すると30万円ぐらい大学からもらえるっていうパンフレットを見つけました。どうせ4年通うんだったら、1年間はアメリカに行こうって思って。東京大学の外国人学生寮みたいな場所があって、そこの図書館には誰でも無料で入れたんですけど、そこにアメリカの大学の住所と学費が羅列してあるリストみたいなものがあったんです。その中で、南部にあって学費が2番目に安い大学を選んだんですよね。

竹中:どこですか?

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