ラーメン屋のあいさつが「っしゃっせー」な深い訳 学生が「ちわす」というのと同じ言語学的理由
中学生心をくすぐった「エントロピー増大の法則」
中学生の時にハマった漫画の1つに、『孔雀王』がある。密教のお坊さんが真言呪文を駆使して悪と戦う、ちょっと色気も混じった壮大なるエンターテインメントだった。
その中で、私の厨二病心をくすぐったのは「エントロピー増大の法則」である。意訳すると、「エントロピーは熱力学の分野で使われる乱雑さの尺度で、エントロピーは増大する運命にある。つまり世界は滅びの方向に向かっている」というようなことが語られていた。
『孔雀王』が大好きなまま学者になった私は、「言語の分析に関しても、エントロピーの概念が有効だ」という理論に出会った時に、飛びついた。しかもこの概念によって理解できる言葉の不思議が、私たちの日常にあふれているのだから、言語学者としては、毎日が刺激的すぎてしかたがない。


















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