「イマドキの部下」の扱いに悩む上司に欠けた視点 SNS世代は常に高い頻度の反応を求めている

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なお、存在承認を心がけていても、無関心な態度を示してしまったら、効果は半減、いえ、それ以下になってしまいます。このことは、くれぐれも忘れないでください。

4 将来(未来)の可能性について信じ、期待し、それを肯定的に応援する【可能性承認】

→ こうなったら良いという改善ポイントを未来の期待として肯定的に応援する

結果を出すには改善すべきところがあるときに、期待を込めて行う承認のことです。「ネガティブフィードバック」に当たるものです。

叱ったり、文句を言ったりするのは、相手に「今後、こんなふうになってほしい」という期待があるからです。ですから、ネガティブのままフィードバックせず、未来への期待を伝える言葉にしてポジティブフィードバックとしましょう。

「今回は新規顧客の受注につながらなかったけど、プレゼンの仕方は上手だった。引き続き期待しているよ。ただ、資料の数字に間違いがあったのは困る。相手の信頼を失ってしまうから、次回からは絶対に間違いのないよう気をつけて」

リーダーとは、希望を配る人

ネガティブフィードバックをする時は、必ず、「期待しているから、注意をしている」「信じているからこそ、伝えている」と、可能性承認を伝えてください。

そうでないと、どんどんやる気がなくなり、成果が出にくくなることもあります。この4つの「承認」を使い分けて、部下にはつねに「YES」を伝え続けましょう。

『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「リーダーとは、希望を配る人のことをいう」

これは、フランス革命期の軍人で、平民を率いて革命を成功させたナポレオン・ボナパルトの言葉といわれているものです。

部下マネジメントにおいて大切なのは、自分の頑張りを上司がきちんと見てくれていることを部下が理解し、そのうえで、のびのび働ける環境を作ることです。

あなたのひと言が思った以上に響いたり、大きな自信や仕事への原動力になったりするかもしれません。

結果を出すのが仕事だから、「やるのは当たり前」、言わなくても伝わっているはずだと、フィードバックをサボってしまっていないでしょうか。

忙しさにかまけず、成果や結果を出してくれる部下に対して、相手の強みを話したり、また純粋に感謝の気持ちを伝えましょう。

ヴィランティ 牧野祝子 国際エグゼクティブコーチ

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ヴィランティ まきの のりこ / Noriko Makino Vielanti

東京生まれ。ミラノ在住。コロンビア大学、INSEAD(インシアード・欧州経営大学院)MBA 卒業後、国内外10 か国で、外資系の戦略コンサルタント、多国籍企業のマーケティング、新規事業の立ち上げ等、様々なキャリアを積む。
様々な文化、考え方、事情を持つメンバーが一緒に仕事をして結果を出すには、個々の良さを引き出し、最大限活用できる環境をつくることが必要だと考え、ポジティブフィードバックを実践し始める。
現在は、独立し、国際エグゼクティブコーチ、企業研修講師、コンサルタントとして活動。企業から依頼を受け、経営者、リーダー等にポジティブフィードバックをはじめとするビジネススキルを伝授している。

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