「想像以上に凄い!」アマゾンのリーダー育成研修 幹部候補生を鍛え上げる超豪華なプログラム

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次の日は、講師からのフィードバックがありました。

厳しいことはそれほど言われませんでした。どちらかというと褒められるほうが多かった。でも指摘されたことが的を射ているだけに、こたえました。

「あのときこういう方向に行こうとしたけど、あれは違うと思う」

「この発言は、あそこでは必要なかったんじゃないか。あれでみんなが混乱してしまったよね」

あなたたち参加者も、思ったことは歯に衣着せず、すべて言いなさいと言われ、私も自分の思ったことを包み隠さず言いました。

研修終了時に、このときのやりとりがすべて録音されたSDカードをお土産にもらいましたが、聞き直す勇気がなくて、ついぞ聞いていません。

研修を終えて帰るころには、みんなヘトヘトになっていて、帰りのバスは全員爆睡していました。

Leader of Leadersの1週目はこのように、あえて想定外の状況に参加者を置くことで、リーダーとしてどう振る舞うべきかを学ばせるのです。

さらに上位の研修にはベゾスとのOne on Oneも

これらの研修は全員が受けられるわけではなく、評価の高い人から優先的に行くチャンスが得られるようになっています。

また、私たちのときはこの研修が最高レベルでしたが、この研修が成功したので、2014年ごろ、さらに上のレベルのVPを対象にしたリーダーシップ研修がつくられました。これにも私のボスが選ばれて行ったところによると、ジェフ・ベゾスとのOne on Oneがあったそうです。

社長と1対1で話すなんて、日本の会社だったら考えられません。そういう意味でもアマゾンは、経営陣との距離が近いのは間違いないと思います。

佐藤 将之 エバーグローイングパートナーズ代表取締役/事業成長支援アドバイザー

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さとう まさゆき / Masayuki Sato

セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年、同社退社。現在は鮨職人として日本の食文化の発展に携わるとともに、成長企業での15年超の経験を生かし、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。著書に『アマゾンのすごいルール』『アマゾンのすごい問題解決』(宝島社)、アマゾンのスピード仕事術」(KADOKAWA)、などがある。

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