「想像以上に凄い!」アマゾンのリーダー育成研修 幹部候補生を鍛え上げる超豪華なプログラム
ところがです。工場長役の人が、
「何言ってんだよ。昨日、うちの工場から有害物質が流出したんだ。いま国の捜査官が来ていて、工場はシャットダウンだよ」
と言うではありませんか。
私が昨日受け取ったメールの束には、そんなことは一言も書いてありません。でも工場長役の人のメールには、そう書いてあったのです。
「そうか。これは昨日思い描いたシナリオが通用しないということだ」
と気づきました。私だけでなく全員が、まったく動きが取れなくなってしまったのです。
つまり、身動きがとれなくなったときこそ、次の行動が取れるかどうかが、リーダーとして大事なことだから、それを学びなさいということだったのです。
あえて身動き取れない状況にさせる
しかし、これだけたくさんの問題が同時に起きると、本当に手も足も出ません。セールスやオペレーションの担当ならば、まだ打つ手があるけれど、私はマーケティング担当だったので、何も打つ手を思いつきません。
これは困ったと思い、私はほかのチームに話を聞いてみようと思いました。ほかのチームと情報交換をすることは特に禁じられていなかったので、「マーケティングだけで、ちょっと話さない?」と言って相談することにしました。
話してみると、彼らも私とまったく同じ状況で、何をしていいかわからずパニックに陥っています。
「でも、この状況下でもこういうアプローチはできるんじゃないか」
「じゃあ、それをやってみよう」
ということになり、それぞれ自分のチームに戻りました。
そんな経緯を経て、最終的にリーダーたちが集まって1つの会社としての結論を出します。それをCEOのところに持っていくまで、おそらく4時間程度。
そのあいだ、研修の講師はメモをとりながら、誰がどんな発言をして、何をしたかをすべてチェックしています。
CEO役の人はAチーム、Bチーム、Cチームの中から、どのチームの提案がこの会社にとっていちばん正しい提案かを選び、その日の研修は終わりました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら