「会社にどっぷり浸かる人」が確実に失うもの 主体的に行動する「キャリア自律」が必要だ
社会人として働き出すようになると、「組織のなかの自分」を生きるようになります。「組織のなかの自分」として行動や価値観を強いられるようになる場面も多々あります。もちろん、組織に帰属することそれ自体は、悪いことではないのですが、何のために働くのか、この目的を見失い、ただ毎日を働き続けているビジネスパーソンが少なくありません。
その理由は3つあります。時代背景の影響もあり、世代別にも特徴があります。
①「キャリアは『転職』することで形成される」という判断
30代のビジネスパーソンは、これからのキャリア形成に敏感な世代です。自分が望んでいた働き方ができない、あるいは、会社にこれからの可能性を感じない場合には、すぐに新しい職場へと転職します。
②「キャリアとは『哲学』であり『自分の思い』である」という誤解
40代のビジネスパーソンの方は、キャリアという言葉それ自体への拒否反応は少ないでしょう。「自らのキャリア」についてさまざまな機会に考えたことがあると思います。
しかし、キャリアという点では、「これからどうなりたいか?」というように漠然とした問いに向き合うものの、何から始めていいか迷っているのではないでしょうか?
③「仕事で問われるのは結果がすべてだ」という考え
50代のビジネスパーソンの方々が働きはじめた頃、キャリアという言葉を社内で聞くことはほとんどなかったといえます。企業のなかで行われる研修は、人材研修と呼ばれていました。人材というのは、組織のなかで働く人を前提としているのです。
やがて個人の働き方を大切にするようになり、社内研修の人材研修ではなく、キャリア研修が行われるようになりました。ですので、「そもそも、キャリアって何だ?」「働くうえで、キャリアなんてものは関係ないだろ」と感じたところからスタートしているのです。キャリアという考え方それ自体をうまく受け入れられない方もいらっしゃるかもしれません。
組織にはルールがあります。ルールを逸脱するようなことがあれば、注意を受けたり、時には処分を受けたりすることもあります。そうしたことを経験するうち、いつしか私たちは組織のルール内で行動するようになります。組織のルールを遵守するなかで、確実に失われていくこともあります。
それが、私たちの「キャリア自律」です。
まず、「キャリア自律」という言葉について解説します。「キャリア自律」というと専門的な定義があって、ビジネスシーンでは直接的には活用できない難しい概念だと思われるのではないでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら