こちらは「マツダ3」から始まったフェーズ2の魂動デザインに共通するもので、光の映り込みによって躍動感を表現する凝った面表現となっている。
それだけに、近年のマツダ車にはなかったフロントフェンダーのサイドシグネチャーが気になった。この部分が長くなるので装着したのかもしれないが、魂動デザインの深化という点で考えれば違和感が残るのも事実である。
一見するとシンプルなのに、実は隠しラインを持つことも、最近のマツダデザインの特徴だ。たとえば、ロードスターではドアからリアフェンダーにかけて斜めに立ち上がるラインが控えめに入り、駆動輪が収まるリアフェンダー周辺を強調している。
CX-60では、サイドウインドー後端から斜めに地面に突き抜けていくラインがある。日本の書道やモダンアートなどに見られる、キャンバスの枠にとらわれない大胆さを表現したものだそうだが、リアフェンダーを力強く見せることにも貢献している。
モダンとスポーツの2テイスト
このスタイリングをさらに引き立たせるのが、「プレミアムモダン」と「プレミアムスポーツ」の2つの仕様だという。
CX-5に「フィールドジャーニー」「スポーツアピアランス」など、明確なキャラクターを持つ特別仕様車を相次いで送り出し、おしなべて好評であることを受けての設定だろう。
プレミアムモダンは、自然がもたらす変化に美を見出す日本人の精神を表現したものだそうで、シグネチャーウィング、サイドシグネチャー、ウィンドーまわりにメタルパーツを使い、ホイールも切削加工としている。
一方のプレミアムスポーツは、成熟した大人の遊び心を揺さぶる重厚かつ大胆なラグジュアリースポーツという設定。こちらは各部をブラックアウトすることで精悍な雰囲気としているようだ。
ボディカラーでは、マツダを代表するカラーである「ソウルレッドクリスタルメタリック」や「マシーングレープレミアムメタリック」に続く「匠塗(TAKUMINURI)」の第3弾として、「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を用意した。この新色は、禅の世界の「無」から着想した白で、マツダ独自の金属表現を加えることで、強さと気品を表現したという。
インテリアもNoble Toughnessのコンセプトのもと、骨格の強さを表現したとのこと。インパネは、センターパネルがコンパクトにまとめられたおかげで、水平方向の広がりが強調されている。そこから後方に延びるセンターコンソールは、縦置きパワートレインであることを実感する幅の広さが印象的で、骨格の存在を強く意識させる。
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