食料危機救う?急成長「代替肉」知られざる現在地 世界の人口増加で「たんぱく質」争奪戦の懸念も
代替卵は、大豆などを原材料とした植物由来卵を指す。世界の代替卵市場は、2018年の約14億ドルから2026年には約21億ドルになり、年率約6%で伸びるとの予測がある。
日本のキユーピーは、日本の食品メーカーで初めて代替卵を販売した。2021年6月に豆乳加工品をベースに、大部分を植物由来の原材料を使ったスクランブルエッグ風の業務用商品「HOBOTAMA」を発売し、今後シリーズ化を予定している。
2011年にカリフォルニアで創業したイートジャストは、「誰もが簡単においしく食べられるように」というコンセプトをもとに、従来の方法で生産された卵製品に代わる植物ベースの代替品を開発・販売している。
2021年7月の時点で、すべて植物からつくられた1億6000万個以上の代替卵を販売(累計)。従来の卵よりも水利用98%減、CO2排出量93%減、土地利用86%減を達成した。2020年10月には、シンガポールにアジア初の拠点となる工場を建設し、同年12月、シンガポール食品庁の承認を得て、世界で初めて培養鶏肉の販売を始めた。
2018年設立のゼロエッグは、植物由来の液体卵製品を開発、販売する。従来の卵と比べて、水利用93%減、土地利用92%減、CO2排出量59%減、エネルギー使用量93%減となる見込みだ。
昆虫食市場は2025年に1000億円規模になる可能性
昆虫を食べる習慣は、アジアをはじめ世界各地にみられる。日本でもイナゴの佃煮や蜂の子などの伝統食が有名だ。
国際連合食糧農業機関(FAO)は2003年以来、食用昆虫に関連するトピックに取り組んでおり、2012年には、今後の昆虫食の研究や発展のために、ローマでテクニカル・エキスパートによる量産技術、食品や飼料としての安全性、規制などに関する提言がなされた。
昆虫は、たんぱく質などの栄養素を豊富に含み、養殖に必要な土地や飼料が家畜などに比べ大幅に少なく環境負荷が小さいことから、人間にとって重要な食物になる可能性がある。世界の昆虫食市場は、2025年に1000億円規模になるとの予測がある。