広報をよくわかってない人が知らない3つの逆説 BtoBや中小、初心者にもチャンスは広がっている

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「自社や自分にはできないだろう」と最初からあきらめるのももったいないのです(写真:deyangeorgiev/PIXTA)
昨今では日本企業でも、コストが高い「広告」だけに頼らない「広報」の取り組みが重視されるようになっています。
業種や業界を問わず、新たに広報やPR活動に取り組む企業は多い一方で、前向きな報道を継続的にしてもらうのは容易ではなく、そこにはハードルがあり、躊躇する広報担当者や経営者も少なくありません。
ただ、「BtoB企業や中小企業には広報活動は無理」「広報部門は非生産部門で金食い虫」「経験の浅い広報では太刀打ちできない」という広報業界に蔓延している固定観念や常識について「それも思い込みだ」と、元・日本経済新聞の記者で、現在は広報コンサルタントとジャーナリストの二足のわらじを履く日高広太郎氏は指摘します。著書『BtoB広報 最強の攻略術』から一部抜粋、再構成してお届けします。

間違った思い込み①
「BtoB企業や中小企業には広報活動は無理」

一般の消費者を顧客とするBtoC(Buisiness to Customer)企業は、広報活動でBtoB(Buisiness to Buisiness)企業よりも有利な立場にあります。

メディアの読者や視聴者も一般の消費者ですから、彼らとの接点が少ないBtoB企業の記事ネタは、メディアで取り上げられづらいですし、実際に記事化される割合も少ないのが現状です。

そのため、「自社はBtoB企業だから、広報なんてやっても無駄」と、最初からあきらめてしまう企業が少なくありません。

しかし、私に言わせれば「BtoBや中小企業こそ広報をやるべき」です。商品やサービスがよく知られていないからです。

BtoC企業の商品やサービスであれば、店頭でも多くの個人の目にさらされるわけですから、それほど広報をしなくても意外に知名度が上がっていきます。口コミなどで商品の名前が紹介されて、商品やサービス、会社名までが有名になることもあります。

しかし、BtoB企業はそうはいきません。BtoC企業と違って、商品やサービスが一般の消費者にとって身近ではないからです。知名度を上げるには、前向きなメディア露出をたくさんすることが必須です。

逆に言えば、他社が知名度向上に向けた努力をしていない場合も多いので、BtoB企業が効果的な広報を実践できると、営業活動やIR、採用活動など自社に関わるあらゆる分野で、ライバルと比べて有利な位置に立てます。

もちろん、自社がうかうかしている間に、同業の他社が努力して知名度を上げてくれば、その分、営業や採用などの現場はどんどん不利になっていきます。

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