参院選圧勝がすでに前提化、自民「夜会合」活況の訳 選挙後見据えた実力者たちの主導権争い本格化

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岸田首相は6日の自民役員会で、同日までに立憲民主が細田博之衆院議長と岸田内閣の不信任決議案を提出する方針を示したことについて、「野党は『政局至上主義』でいろいろと言っているが、与党としては、有事ともいえる状況で、国民を守るとの一点は譲れない」と、直ちに否決することへの決意と自信を示した。

これに関連して、自民内では「野党が内閣不信任を出したら、受けて立って衆院を解散し、衆参ダブル選挙にすれば、自民は大勝できる」(幹部)との発言も相次いだ。まさに「バラバラ野党の足元をみての恫喝」(同)だ。岸田首相もあえて否定せず、政局運営を楽しむ風情を示して、余裕をアピールした。

岸田首相は6日夜には、首相公邸で政権発足後初の閣僚との夕食会を開催。コロナに感染した林芳正外相を除く全閣僚が参加し、参院選に向けて結束を誓い合った。コロナの新規感染者数の全国的減少傾向が続いていることで、あえて多人数の会食を開催した辺りにも、岸田首相の自信がにじんだ。

その岸田首相は、7日夜には都内の高級中国料理店に遠藤利明選対委員長ら昨年の党総裁選で首相を支持した議員を集めて会食。さらに8日には都内の名門料理屋で、岸田派の根本匠事務総長、堀内詔子前ワクチン担当相、古賀篤厚労副大臣、岩田和親経済産業政務官ら側近たちと会食。派内の結束強化を図った。

骨太方針での麻生、安倍両氏の「対立」はお芝居

その一方で、6日夜には麻生、安倍両氏が都内で2人だけで会食し、自民内に波紋を広げた。両氏は、政府が7日に閣議決定した「骨太の方針」の中での焦点となっていた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)をめぐり、積極的な財政出動を唱える安倍氏と、財政規律を重視する麻生氏で対立していたからだ。

ただ、両氏がこの場で長年の盟友関係を確認したことで、党内では「それまでの対立はお芝居、すべて事前のシナリオどおり」(岸田派幹部)との見方が広がった。

この麻生・安倍会談で、両氏はそろって岸田政権下で憲法改正に関する国会審議が進んでいることを高く評価。参院選についても各選挙区で密接に協力し合うことを確認したという。

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