参院選圧勝がすでに前提化、自民「夜会合」活況の訳 選挙後見据えた実力者たちの主導権争い本格化
通常国会の閉幕と7・10参院選公示が目前に迫る中、自民党内では岸田文雄首相、麻生太郎副総裁と、安倍晋三、菅義偉元前首相ら実力者による“クロス会合”が活発化している。参院選での自民圧勝を前提にした、選挙後の政局運営をめぐる主導権争いが本格化しているからだ。
先鞭をつけたのは岸田首相自身。コロナ収束に自信を得た大型連休前から、政権運営でタッグを組む麻生氏や茂木敏充幹事長と連携を取りつつ、あつれきが目立つ安倍、菅、二階3氏や高市早苗政調会長を相次いで会食に誘って、挙党態勢構築への協力を求めた。
これと並行して、麻生、安倍両氏はそれぞれ反主流の旗頭とされる菅、二階両氏らと個別に会食。とくに、安倍氏は麻生氏との盟友関係だけでなく、菅氏との親密な関係もアピールして、岸田首相を牽制した。
そもそも、岸田政権は岸田、麻生、茂木3派閥が主流派で、最大派閥の安倍派は表向き主流派だが、反主流派との連携も強化することで、政権への影響力拡大を狙う構図だ。一方、菅、二階両氏は、党内の反岸田勢力を糾合することで、岸田首相の政権運営が行き詰まった際に、一気に攻勢をかけたい思惑を秘める。
自民党内で「黄金の3年間」が既成事実化
参院選に向け、岸田首相が最も恐れているのは、コロナ感染爆発による第7波襲来と、ウクライナ危機による物価高騰だ。ただ、現状では、どちらも政権批判に直結する状況は回避できそうなのが岸田首相の強気につながっている。
このため自民党内では、参院選圧勝による「黄金の3年」が既成事実化。ただ、その場合の「岸田1強」への各実力者の警戒感も強く、それが主流、反主流の各実力者による腹の探り合いが活発化する要因となっている。
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