老後には2000万どころか「4000万円」は必要なワケ 月15万円あれば十分という人でこれくらい必要

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つまり、「毎月15万円もあれば十分」という人でも、年間の生活費は(15万円×12+30万円=)210万円くらいは見込んでおく必要がありますし、「毎月80万円くらいはないと満足する生活ができない」という人は、(80万円×12+150万円=)1110万円くらいは見込んでおく必要があります。

そのうえで、運用によりその金額を安定的に生み出せるようにするのです。そうすれば、何歳まで生きてもお金の心配をする必要はなくなります。この状態のことを「エターニティ」と呼びます。

たとえば先述の「毎月15万円もあれば十分」という人の場合、年間の生活費は210万円です。もし、達成可能な資産運用利回りが3%だとしたら、(120万円÷0.03=)「4000万円」となり、年金を考慮に入れずとも、定年までに4000万円の資産を貯めておけば一生安心、となります。

極めて重要な「期待利回り」

ここで重要となるのが、「期待利回り」という概念です。自分はどのくらいの期待利回りで資産を運用することができるのか、それを把握することが極めて重要なのです。

ここでは、「期待利回り」というのは文字通り、「平均的に達成することが期待できる利回り」という意味で用います。「平均的に」ということは、1年や2年で達成した利回りのことは意味しておらず、10年とか15年といった長い期間において達成してきた毎年の利回りを単純に平均したものを「期待利回り」として認識します。

この期待利回りを知ることで、自分が定年までにいくら貯めなくてはならないのかがわかります。

ここで、気をつけなければならないことがあります。たまたま1年目に「15%」、2年目に「18%」の利回りが達成できたからといって、「自分は平均で16.5%の利回りが出せる」と思ってしまうのは早計だということです。

それらの年の日経平均株価が、たとえば1年目に「10%」、2年目に「13%」上がっていたとしたら、自分が達成できた利回りは、日経平均株価の上昇に助けられた部分も大きいわけですから。

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