老後には2000万どころか「4000万円」は必要なワケ 月15万円あれば十分という人でこれくらい必要

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しかも、これだとインフレに対抗できていません。将来のインフレや年金の減額といったリスクには一切適応できないのです。

日本もこれからは「インフレ」が基調となります。バブル崩壊後に2003年まで14年ほどデフレが続いたので、そして、雇用者所得の平均値はそれ以降も下落基調が続いたために、平均的な日本人は「デフレが身に染みついちゃって」いますが、それは時代遅れです。

これからは日本も含めて世界的にインフレが当たり前ですから、それにも適応していかなければならないのです。そういう意味でも、インフレ対抗力がまったくない「貯金」だけでは無力なのです。

少なくとも1991年から2003年までの13年間はデフレ経済でしたが、それだけのデフレ期を含めてさえも34年前(1988年)と比べたら、いろいろなものの値段は2倍くらいにはなっています。つまり、34年後の3000万円の購買力は、現在の2分の1かそれ以下になっている可能性が極めて高いのです。

ということは、貯金を取り崩すだけの老後なんて、「ジリ貧」でしかないのです。

貯金を取り崩す生活は不安だらけ

重要なのは、貯めたお金をただ取り崩すだけではなくて、「運用資金」とすることです。

仮に頑張って3000万円を貯めたとすれば、利回りが3%でも毎年90万円、利回りが7%もあれば毎年210万円ものお金を生み出してくれます。インフレにも対応できます。そうすれば、「もしかして100歳まで生きても」大丈夫です。

「貯金だけ(=ただ貯金するだけで、老後はただ貯金を取り崩すだけ)」というのは、「ファイナンシャル・インテリジェンス(お金の知性)」が低い状態であり、21世紀においては、いち早く脱却しなければならない状態です。資産運用能力を身につけて、資産に資産を生み出してもらう(よく言われるようになった「お金に働いてもらう」)という状態を常態化させることが必須です。

では、本当に老後で実際に必要な金額はいくらなのか。

それは結局、「どのような生活水準の老後を過ごしたいか」によって決まります。

当然のことですが、それは十人十色です。「毎月15万円もあれば十分」という人もいれば、「現役時代に生活水準を上げたい放題上げてしまったから、毎月80万円くらいはないと満足する生活ができない」という人もいるでしょう。

また、毎月の生活費とは別に、自宅の修繕費や冠婚葬祭の費用など、臨時で必要となる出費もあります。毎月の生活費を12倍した金額に、少なくとも30万円から多い人は150万円くらいを年間の支出額として見込んでおく必要があるでしょう。

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