ドイツは蒸気機関車にも流線形を採り入れ、1935年に登場した05形は1936年5月11日に時速200.4kmの速度記録を達成した。現在はニュルンベルク交通博物館で展示保存されている。電気機関車でも1935年に独特の流線形を誇るE18形が登場、急行列車の牽引機として最高時速150kmで運行され、戦後に登場した西ドイツの代表的電気機関車103形にも影響を与えた。
イギリスではロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道(LNER)に1935年、流線形のA4形蒸気機関車が登場した。中でも有名なのは4468号機「マラード」で、1938年に最高時速125マイル(203km)という蒸気機関車としての世界最高速度記録を達成した。マラード号はヨーク市の英国国立鉄道博物館に保存されている。
このように1930年代は欧米に流線形のブームが起こったが、さて日本はどうだっただろうか。
日本にも次々と登場
欧米の流線形ブームはやがて日本にも飛び火し、国鉄は1934年、当時の特急・急行用蒸気機関車C53形のうちの1両を流線形に改造した。そのブームが本格的に開花したのはC55形で、流線形のカバーを取り付けた形で21両を製造。電気機関車では当初から流線形車体で設計されたEF55形が登場した。同機は現在、鉄道博物館で1号機が保存されている。
C55形の流線形は整備のしにくさなどからカバーを撤去して本来のC55形の姿に戻されたが、その中の1両だった30号機は蒸機終焉の頃まで走り、運転台の屋根に流線形タイプ独特の丸みを残した姿でSLファンの人気の的だった。
一方、「満州国」の南満州鉄道は1934年、大連とハルピン間約950kmに超特急「あじあ」の運転を開始した。流線形のパシナ形蒸気機関車と専用固定編成の豪華列車で、冷房を備えた列車のすべてが当時の日本の技術によって設計・製作され、客車最後尾の展望客車も流線形だった。
日本と世界のレトロ「流線形」車両
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有楽町付近を走るEF55形
(撮影:大塚康生)
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EF55形は1号機が鉄道博物館に保存されている
(撮影:南正時)
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「スーパーなめくじ」と呼ばれた半流線形のD51形
(写真:大塚康生所蔵)
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流線形C55形のサイドビュー
(画:大塚康生)
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飯田線で活躍したモハ52形。雑誌「レールガイ」の
ために豊橋で特別に撮影した(撮影:南正時)
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豊橋駅に停車する飯田線時代のモハ52形
(撮影:南正時)
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流電と名鉄パノラマカー(左)の出会い
(撮影:南正時)
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佐久間レールパークに保存されていた際のモハ52形
(撮影:南正時)
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「リニア・鉄道館」に保存されたモハ52形
(撮影:南正時)
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運転台屋根の丸みに流線形時代の面影を残すC55形30号
(撮影:南正時)
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有田鉄道キハ07 207(左)。元鉄道省キハ42609
→国鉄キハ07 207と変遷し譲渡された(撮影:南正時
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九州鉄道博物館に保存されているキハ07形
(撮影:南正時)
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同和鉱業片上鉄道のキハ703。元国鉄のキハ42029だ
(撮影:南正時)
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鹿児島交通のキハ100形。キハ07に準じた車両だ
=加世田駅構内(撮影:南正時)
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鹿児島交通のキハ103
(撮影:南正時)
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岩手開発鉄道キハ301は元夕張鉄道の車両だ
(撮影:南正時)
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桜と岩手開発鉄道キハ301
(撮影:南正時)
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名鉄の「ナマズ」こと850系の旧塗装(緑)時代
=新岐阜駅(撮影:南正時)
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快走する名鉄850系「なまず」
(撮影:南正時)
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名鉄のもう1つの流線形電車、3400系「いもむし」
=須ヶ口にて(撮影:南正時)
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名鉄3400系は下部までスカートで覆った流線形だった
(撮影:南正時)
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名鉄の2つの流線形電車、3400系と850系の並び
(撮影:南正時)
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名鉄揖斐線の揖斐川鉄橋を渡るモ510形の3両編成
(撮影:南正時)
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岐阜駅前に停車するモ510とモ520の2両編成
(撮影:南正時)
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岐阜市内線を走るモ520とモ510
(撮影:南正時)
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岡山臨港鉄道(廃線)のキハ5002。元は江若鉄道
(滋賀県、廃線)の車両だった=大元駅(撮影:南正時)
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豊橋鉄道ク2400形。電車の制御車だが元は気動車だった
(撮影:南正時)
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野上電気鉄道(和歌山県、廃線)のモハ24。
元阪神の車両だった(撮影:南正時)
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野上電気鉄道のモハ24
(撮影:南正時)
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野上電気鉄道のモハ24
(撮影:南正時)
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福井鉄道南越線(廃線)村国駅のモハ81廃車体。
元は南海モハ81だった(撮影:南正時)
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京阪神急行(現:京阪電鉄)の200形
=山科付近(撮影:大塚康生)
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ライプツィヒに展示されているSVT137 225
(ハンブルク型車両)(撮影:南正時)
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ドイツの01.10形蒸気機関車1001号機
(撮影:南正時)
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ドイツの05形001号機。ニュルンベルク交通博物館に
保存展示されている(撮影:南正時)
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蒸気機関車世界最速記録を誇る英国の「マラード」
(撮影:南正時)
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ドイツのE18形電気機関車。その後の高速電気機関車に
影響を与えた(撮影:南正時)
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1937年に登場したイタリアのETR200形電車
=ローマ・テルミニ駅(撮影:南正時)
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ETR200の先頭部
(撮影:南正時)
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カナダ・VIA鉄道の展望車。1950年代の製造だ
(撮影:南正時)
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ドイツのVT601形。TEE(欧州国際急行)
用として1957年に登場した(撮影:南正時)
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インドのWP形蒸気機関車。1947年に登場した
(撮影:南正時)
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旧南満州鉄道の「あじあ」号牽引機「パシナ」
(撮影:南正時)
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旧満鉄のパシナ。中国国鉄時代の姿だ
(撮影:南正時)
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旧満鉄の気動車「ジテ」を改造した電車。
撫順炭鉱で活躍した(撮影:南正時)
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旧満鉄の気動車「ジテ」を改造した電車
(撮影:南正時)
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