資産家イーロン・マスク氏はツイッターにはスパムや偽アカウントを含む深刻な「ボット」の問題があるとの主張を強調し、6日付の米証券取引委員会(SEC)への修正届け出を通じ、ツイッターが善処しないなら同社買収合意撤回も辞さない構えを示した。
法務専門家はマスク氏によるツイッターのボット問題指摘について、同社との合意撤回あるいは再交渉のための言い訳に使っているとみる。ここ数週間の株式相場下落によって、ツイッター側により優位な条件になってきたと見受けられるためだ。
マスク氏は届出書で、ツイッターはスパムや偽アカウントについてより多くの情報提供を求める同氏の要求を果たしておらず、合意に違反していると主張。ただ事情に詳しい複数の関係者によると、水面下では合意の手続きは進んでいる。双方は定期的に会合を持ち、情報を共有していると、関係者2人は語った。
法律事務所オルシャン・フローム・ウォロスキーのパートナーでアクティビストの投資が専門のアンドルー・フリードマン氏はマスク氏について「有利な立場を得ようと努め、体裁を整えようとしている」と指摘。「マスク氏にとって不運なことに、買収合意の停止条項は買い手側の後悔を容認していない」と語った。
マスク氏は先月、ツイッターが届出書での説明のようにユーザーに占めるボットの割合が5%未満であることを証明できるまで買収合意を「保留」すると表明した。マスク氏は偽アカウントの割合が20%以上だと推測している。
原題:
Musk’s ‘Buyer’s Remorse’ Won’t Get Him Out of Twitter Deal(抜粋)
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著者:Kurt Wagner、Maxwell Adler
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