中国の不動産大手の緑地控股集団(グリーンランド)が、満期まで1カ月を切った元本5億ドル(約635億円)の外貨建て社債の償還を1年間繰り延べするよう、投資家に対して要請していることがわかった。
問題の社債は、2022年6月25日に償還期限を迎える表面利率6.75%のドル建て債券だ。緑地控股集団のオフショア子会社の緑地環球投資が5月27日に香港証券取引所を通じて開示した通知書によれば、同社は(債券発行時に定めた)一部の条項の修正および免除の同意を得るため、6月20日に上記社債の保有者向けの会議を招集する計画だ。
その具体的な内容は、償還期限を2023年6月25日まで繰り延べすることや、繰り延べ期間中に緑地控股集団が当該債券を買い戻す権利を積み増すこと、本来の満期日に元本の10%の返済と利息の全額の支払いを行うことなどだ。
なお、償還期限の延長を求めざるを得なくなった理由について、緑地控股集団は「3月中旬から新型コロナウイルスの感染が拡大し、会社の資産のやりくりや物件の販売が滞ったため」としている。
資金繰り悪化は一時的と言うが…
同じく5月27日、この社債の(発行時の)主幹事を務めた中銀国際(訳注:国有銀行大手の中国銀行の投資銀行部門)が債権者向けの電話会議を開催。そこに出席した緑地控股集団の財務部門幹部の呉正奎氏は、同社が本社を置く上海市でロックダウン(都市封鎖)が実施されたため「業務の正常な運営や返済資金の準備が深刻な影響を受けた」と釈明した。
「わが社は繰り返し検討した結果、6月25日満期のドル建て社債の償還繰り延べを要請せざるを得ないと判断した。現時点では、わが社の手元には社債の元利を全額返済できるだけの現金がない」(呉氏)
ただし緑地控股集団は、目下の資金不足は新型コロナ流行の影響による一時的な問題であるとの立場を崩していない。
「ロックダウンの解除後は(本来の)計画通りに資産売却を進めることができる。今年8月から11月までの間に期限を迎える社債に関しては、わが社は期日通りに償還する能力がある」。呉氏はそう強調した。
(財新記者:彭駸駸、陳博)
※原文の配信は5月28日
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