東京出て売れた芸人が「捨ててよかった」3つの事 ソラシド本坊元児が語る東京で売れなかった訳
西田さんには、「ちゃんとしたエピソードトークをしてほしかったら、お前なんか発注せんど!なんでいつも通り楽しくやらんのか!」と怒られました。西田さんに言われて、めちゃめちゃ肩に力が入っていた自分に気づき、「ほんまや、ダサすぎる……」と自分に凹みました。
メッセンジャーの黒田さんにご飯に連れて行ってもらったときにも、背伸びした発言をしてよく説教されていました。黒田さんに褒められようとして、こんな芸人になりたいとか、こんなテレビは違うとか、今思えば内容のないことをペラペラしゃべっていたのです。
黒田さんは、そんな僕の話を聞いては、「なんやそれ、そんでどうすんねん!」と怒ってくれていたんですが、僕はそのお説教の意味もわかっていなかった。どうして黒田さんはいつも僕のことを怒るんだろうと思っていました。お説教されると怖いし、ちょっと避けていた時期すらあります。
思い切って本当のことを言った
でも、ある日久しぶりに飲みに呼んでいただいて、覚悟を決めてお店に行きました。最初は楽しく話していましたが、「そんで、お前どうすんねん?」と言われました。お説教が始まる合図です。いつもはそこでかっこつけたことを言っていた僕ですが、その日は思い切って本当のことを言いました。
「黒田さん、『この先どうしていくのか』と言われても、もう俺にはわからないんです。色々なことを緻密に計算できるタイプじゃないし、正直、次の舞台でウケたいってことしか頭になくて、将来のことなんて全然考えられないです」
そういった瞬間、黒田さんはバチーンと目を開けて「お前は変わった。よし、次の俺の舞台に出ろ!」と言ってくれました。驚いて「え、俺まだ無理ですよ」と言うと、「あほか!俺がおるのに、お前をスベらせるわけないやろ。打ち上げは知らんで。ちんちんに説教するかもしれんけど、舞台では何やってもいい!」と言ってくれました。
先輩たちには僕がずっと背伸びしていたことはとっくにお見通しで、怒ったり諭したりしながら、張り切り過ぎていた肩をちょっとずつ下げてくれていたんです。そして、本音を言う勇気を出したときには、全力で力を貸してくれる。
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