原油価格高で「株価が大きく上がる業種」はどれだ 「原油高・株高」「原油安・株安」なのは何故か

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図表1は原油価格と日経平均株価の推移を見たものです。

(外部配信先ではグラフや図などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください))

「WTI原油価格」とは

WTI原油価格とは、ニューヨーク商業取引所で上場された原油の先物取引価格です。通常の売買は、「今」の価格で「今」取引が行われます。しかし先物取引とは「今」決めた価格で「将来のある時」に取引するものです。このあたりを詳しく説明すると専門的な話になってきてしまうので、原油相場の水準を知るという目的であれば、細かい仕組みには触れずWTI原油価格の推移を見ておくだけで十分です。

このWTI原油価格を見ると、図表1の中の「連動」で示されるように、多くの期間で日経平均株価と連動して動いていることがわかります。つまりWTI原油価格が上昇するときには、日経平均株価も上昇し、反対にWTI原油価格が下落するときには、日経平均株価も下落しているのです。

景気がいいときには製造や運搬が活発になるので、原料やガソリンなどの需要は高まります。原油需要が上がれば原油価格は上昇します。好景気を反映して株価も上昇するため、「原油高・株高」という関係が見られるわけです。

一方、景気が悪くなるときは「原油安・株安」になります。世界経済のなかで見ると、3月以降、中国では新型コロナ感染の拡大から各都市でロックダウン(都市封鎖)が行われました。その影響で足元にかけて中国経済の景気減速観測が報道されていますが、こうした報道に連動してWTI原油価格も下落しています。

さらにまったく別の観点から「原油高と株高」の関係を説明することもできます。原油価格が上がると、石油収入が増えた中東のオイルマネーが日本株にも投じられるため、株高につながる、というわけです。

ところで、図表1では直近までのように原油価格の上昇と株安の「逆連動」が見られる場面もあります。原油価格が上がると製造コストや運搬コストが上がるため、モノの値段も上がります。すると、人々の懐に余裕がなくなって値段が高いからと買い控えが起き、個人消費が低下して景気が悪化します。そして株価も下落します。

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