50歳から「仕事が楽しい人」と「楽しくない人」の差 「年をとると、仕事がない」と思っていますか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たとえるなら、20歳そこそこで選んだ服を、一生着ているようなもの。なかには、それが一生ものになっていく幸運な人もいますが、「だんだん合わなくなってきた」「ほかにも選択肢があるんじゃないか」と疑問を抱くのも当然ではないでしょうか。

仕事というのは偶然のめぐり合わせのようなもので、やってみないことにはわからない。向き不向きや、時代に合っているのか、やり続けられるか、年齢とともに変わってくることもあります。

結果や報酬より、充足感にシフトする

生活のために会社を辞められなかった人も、50歳以降、昔からやりたかった仕事に挑戦してみたり、これまでの仕事経験を土台に独立したり、まったく新しい環境で始めたりすることもできるのです。

私がよく行くブックカフェのご夫婦は、60代で移住して店を開きました。夫は元編集者、妻はいまも短大で古典を教えていて、夫婦のもとには、子どもから90代の方まで多くの人がやってきます。ご夫婦と本の話をするのが楽しくてたまらないし、その明るく元気な姿に刺激をもらえるのです。

子どもが独立したあと、その前身である会員制の文学サロンを開こうとしたのは妻のほうでした。「夫に反対されたら、離婚してでも1人でやるつもりだった。結局、夫も会社を辞めて一緒にやることになったの」と妻。いまでは夫がデザートをつくったり、講座やイベントを主催したりして、じつに伸び伸びと楽しそうに仕事をしているのです。

『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

このように、これまでやってきたことを武器に、形を変えていくこともできます。50歳からは未来に「どれだけの結果や報酬が得られるか」より、いま「どれだけ充足した時間や心の満足が得られるか」のほうが大事になってきます。

40代50代で、会社に勤めているのであれば、会社にいるうちに、近い将来の定年後に別の仕事をすることも見据えて、「やりたいこと」「やれること」を見つけておいたほうがいいでしょう。「辞めても、この道がある」「いつかこんな仕事をしたい」などいくつかの選択肢をもっておくだけでも心強いものです。

ほんとうの安定とは、変わらないことではなく、変化しながら、柔軟にバランスを保つこと。自分の気持ちや状態も、まわりの環境も、移り変わっていくものですから。

有川 真由美 作家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ありかわ まゆみ / Mayumi Arikawa

鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。 化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。韓国、中国、台湾でも翻訳される。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事