50歳から「仕事が楽しい人」と「楽しくない人」の差 「年をとると、仕事がない」と思っていますか?

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数年前までは、関西で重機を貸し出す会社の社長で、さまざまな重機を扱うために20以上の資格を取得。一代で会社を拡大したものの、資産は妻と子に譲り、離婚して身ひとつで故郷に帰ってきたそうです。

目に見える資産はなくなっても、その人のなかにある仕事への姿勢や考え方、スキルといった資産はなくなりません。わかる人には、ちょっと話しただけでも「この人ならできる」「この人にはむずかしいだろう」といったことはわかるものです。

「足りないもの」ではなく、「あるもの」に目を向ける

さて、「年をとると、仕事がなくなる」という声はよく聞かれます。それは、若い人と同じ土俵で仕事を奪い合っているから。実際に転職活動をしたことのある人は、50歳どころか、30歳以降は、特別なスキルや資格でもないかぎり、再就職がむずかしいことを実感するはずです。

一般的な求人枠に、自分を当てはめようとすると、「スキルがない」「経験がない」「資格がない」「若くない」「考え方が柔軟でない」「体力がない」など足りないものばかりが見えてきて、年をとるほど仕事は先細りになるでしょう。

いま、会社で働いていても、あくまでも会社が求める人材であろうとすると、「〇〇ができていない」「実績が足りない」「リーダーシップがない」など、足りないものを埋めようと必死にがんばることになります。

「会社優先の生き方」から「自分優先の生き方」にシフトするためには、まったく逆の発想が必要です。「足りないもの」ではなく、「すでにあるもの」に目を向けることから始まります

仕事の資格や経験など明確なものだけでなく、ものを見る目やコミュニケーション力、問題解決力など、本人も自覚していないことが、実は大事な資産なのです。

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