玉木宏「難しいことだらけ」な俳優業24年の重み 芸能界に合ってると感じる瞬間はほとんどない
2020年に放送されたドラマ『極主夫道』は、累計発行部数550万部超えの同名コミックが原作。玉木宏さん演じる主人公の龍は、裏社会で数々の伝説を残してきた最凶の極道で“不死身の龍”として恐れられてきましたが、今では結婚して極道の世界から足を洗い専業主夫として幸せな生活を送っています。
曲がったことや理不尽なことが大嫌い、そんな龍のドタバタな日常をコミカルに描いたドラマが映画化され『極主夫道 ザ・シネマ』として6月3日に公開が決定。
社会派からコメディーまで幅広い作品で活躍する役者・玉木宏さんに今回の作品を通した仕事への思いと、多彩な趣味で知られるプライベートの過ごし方についても伺いました。
まじめにやるからこそ面白いことが成立する
──これまでシリアスな役からコメディーまで異なるキャラクターを演じ分けてこられましたが、今回は「ここまでやるか?」と思わせるぐらい徹底的にコメディーです。
玉木:ここ最近は、『竜の道』や『桜の塔』など復讐に燃える男や裏社会に精通する男の役が続いていましたから。今回、ご一緒した松本まりかちゃんは『竜の道』でも共演したんですけど、「全然イメージが違う!!」とずっと言われていました(笑)。
──でも、ご本人的には違和感がない?
玉木:自分の中ではコメディーもシリアスも心持ちは大きく変わりません。役柄としてのアウトローな部分というのは、男として非常に魅力を感じる部分でもあるし、今回も笑わせようという意識はなくて、結果的に観ていただく方に笑ってもらえたらラッキーだと思っているぐらいで。自分の作業としてはそんなに変わらないので、まじめにやるからこそ面白いことが成立するんだという意識でいます。
──確かにコメディーとはいえ、アクションシーンも多いし、玉木さんの体もバキバキでした(笑)。
玉木:原作マンガの龍がすごくバキバキなんです(笑)。キャラクターの絵があるということは非常にヒントにはなるんですが、逆に言うとそこに近づいていかなくてはいけない難しさもあります。連ドラのときは本当に時間がなかったんですが、今回はクランクインまでに1カ月半くらいあったので、食事制限をかけてトレーナーさんにもついてもらいました。やはりドラマのときよりもさらにパワーアップしてやらなければいけないという使命感はありましたね。