大幸薬品「クレベリン」の広告はなぜ問題なのか? 景品表示法戦略が的外れだった点が最大の誤算
クレベリンの問題の措置命令では、消費者庁はあっさりこう述べている。
大幸薬品はどんな誤算をしたのか?
「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」が強調表示で、「屋外では成分(二酸化塩素)が拡散されるため、屋内・室内でご使用ください。」が打消し表示。その下には、「※当社試験、閉鎖空間で二酸化塩素により特定の『浮遊ウイルス・浮遊菌』の除去を確認。」と書いてある。
そのため、「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」といっても、それは密閉使用の話で、エビデンスもそうなっているということがわかる。
そうすると、訴求は「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」に対し、エビデンスは閉鎖空間で、両者はマッチしないということになる。閉鎖空間のエビデンスがどんなにしっかりしたものであったとしても、「閉鎖空間の話であることは消費者に認識されていない」ということになってしまう。
そこが打消し表示でカバーされているかというと、打消し表示は「強調表示の直下に書く」のが大原則。この例では強調表示はパッケージの表、打消し表示は裏にあり、記述されている空間も異なるので、これでは打消し表示はないもの(無効)と扱われる。
これでは大幸薬品社に勝ち目はない。
消費者庁にあらがったのは無駄だったのかもしれない。それどころか、ゴールデンウィーク中の5月3日にホームページに載せたことや、インデックスでグーグル検索に拾われないようにしたことがネット上で騒がれ、悪評を広める結果となった。このマイナスは大きい。
しっかりした景表法戦略を持っていれば、こんな顛末にはならなかっただろうと思う。
恐るべし景表法、なのである。
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