「貧乏エリート」は円安が大チャンスだと思えない 財務省・学者・メディアの歪んだ「円高好き」

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例えば、中国に依存しないサプライチェーンを確立することは、親米陣営にとって「直ちには達成できないが」、「重要な目的だ」と言える。

簡単に表現すると「日本の産業、もっと頑張れ」が現在の円安を許しているアメリカの意図ではないか。そして、「実質的に極端な円安と世界経済の分断によるサプライチェーンの再構築の必要性」の組み合わせは、日本の産業に対して一大チャンスを提供しているのではないか。

経営者よ、立ち上がれ!

現在のグローバルな経済環境を見て、これを「チャンスだ!」と捉えて、どうしたらいいのかと戦略を考えない経営者は、会社を経営している価値がない。

「悪い円安」論者は、「企業の収益は海外の収益の円換算が増えるので見かけ上改善しているが、海外の収益は海外に再投資される傾向が強く、日本経済のプラスにはなりにくい」と言う。

しかし、日本での生産が有利なら、日本国内に設備投資したらいいではないか。今こそ「安い日本」に投資することは素晴らしい。どうして、そう考えないのか。

それに、「円高で数字上減益になっているほうが、企業は頑張って経営努力するのではないか」と考えるのは、経済論理的には非合理的な根性論だ(オイルショック時代の記憶を引きずっているのだろうか)。貧乏好きにもほどがある。

そして、どこで発生した利益であれ、利益があるほうが投資は活発になると考えるほうがまともな考えだろう。そして、その投資先は「円安のおかげで」日本国内が大いに(数十年前くらいに)有利なのだ。為替レートの他の環境条件で生産地を変えるのは企業経営者の「腕」だ。

世界の一方の陣営のサプライチェーンの要を担うようなビジネスを日本国内に作ることが可能であるのかもしれないのだ。これでわくわくしない経営者はツマラナイ。企業は資金を持っているし、さらに資金調達するなら長期金利に至るまで政策で抑えられていて低金利なのだ。

台湾のTSMCや韓国のサムスン電子のような、グローバルに存在感の大きな企業が日本に複数生まれてもおかしくない。

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