今、WEB業界入りする人が知るべき「30年の重み」 「若いから詳しい」「年長者は疎い」ではもうない

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デジタルマーケティングやネット広告の歴史を振り返る意欲作『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』を上梓した森永真弓氏。現在のネット業界は、かつてとは大きく様相が異なっていると語る(撮影:今井康一)
変化の激しいネット業界。業界にいる人であっても、「たった数年前と今で、大きく状況が変わっている」と感じている人も少なくないだろう。
そんななか発売されたのが『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』だ。
「mixi」や「前略プロフ」など懐かしのインターネットサービスやキーワードとともに、ビジネス的な潮流から、デジタルマーケティングやネット広告の歴史を振り返る意欲的な一冊となっている。
その著者が、博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所にて、上席研究員を務める森永真弓氏。「化石を発掘し、歴史を紡ぐ作業のよう」だったという、資料集めの苦闘を中心に聞いた前編に続き、後編では彼女とネットとの出会いや、昨今のデジタルマーケティング業界の実態、ビジネスを取り巻く環境の変化などを聞いた。

千葉大でのインターネットとの出合い

1995年はWindows95の発売された年で、世界的にネットの利用人口が増えた年として、多くの人に記憶されている。だが、千葉大学工学部の1年生だった森永氏のネットとの関わりはそれよりももう少し早かった。

「Windows95の発売は12月なのですが、私が大学生になった1995年4月の段階で、大学生が全学的にネットを自由に使える環境が用意されていたのは、千葉大と慶応のSFCでした。

当時の千葉大には少しマニアックな先生がいて、スーパーコンピューターで環境を作っていたので、全学必修の授業で全員UNIXを使わなきゃいけなかったんですね。今思えば、文系学部の学生には地獄みたいな環境だったかもしれません(笑)。

そんななか、私は同じ工学部の、ガチでプログラマーを目指している情報系の学生たちと仲良くなるうちに、次第にネットに関心を持つようになっていったんです。ちなみに、SFCは千葉大と違ってMacを使っていて、『オシャレだなあ』と思っていたのを記憶しています(笑)」

その後、森永氏は学生バイトとして、コンピューター関連の雑誌制作などを手がけていた『アスキー』での仕事も経験。インターネットに関わる仕事につくことを、真剣に考えるようになっていくことになる。

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