山ほどある「子育て本」上手に取り入れる3のコツ 体験記を読んで落ち込む人に伝えたいこと

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1、ノウハウをそのままわが子に当てはめようとする

私は過去に料理や語学の本、ダイエット本などいわゆる「実用本」もたくさん作ってきましたが、これらのジャンルの本は、本に書かれてあるとおりに実践すればかなり再現性高く結果が出ます。

同じ実用書でも、子育て本はこれが当てはまりません。特に、ノウハウには注意しないといけません。「親のこういう働きかけが子どものやる気を高めるのに有効でした」「○○をやったら学習習慣がつきました」と書いてあっても、それは万人に共通するものではありません。あくまで著者自身が体験したケースであったり、著者自身の調査から得た結果であったりするので、自分の子どもには当てはまるとは限りません。

たとえ同じ年齢であっても子どもは多様です。同じように成長する子はひとりもいないのです。自分の子どもに有効かどうかはさておき、あくまで例の1つとして読む、という姿勢が必要です。

本に書いてあること全部はできない

2、本に書いてあることすべてをやってみようとする

子育て本1冊の中には多くの情報が載っています。せっかく買ったのだからとあれもこれも試したくなりますが、その考えは初めから捨てたほうがいいでしょう。編集者の立場から言うと、著者が訴えたいメインとなる情報だけでは1冊の本として成り立たないので、それに関連した情報も載せて1冊の本として成り立たせることも多いもの。

「本に紹介したものを全部試してほしい」というよりも、「この中から1つでも実際にやってもらえればいいな」というイメージです。わが子に合うものが1つでも見つかったらもうけもの、後の情報は捨ててもいい、という気持ちで読むことが大切です。

もちろん、子どもの成長によって変化も出てくるので、同じ本を時間を置いて時々読み返してみるのもおすすめです。

3、効率重視、結果重視

とくに働くお母さんが陥りやすい思考がこれです。仕事においてはとにかく無駄と効率の悪さは敵ですが、子育ては真逆です。たくさんの無駄な経験を通して親子共々成長していきます。

例えば、今人気の「声かけ本」。「この声かけをしたら子どもが自分で動くようになる」などの記述があったので、やってみた。しかしわが子にはまったく効果がなかった、というようなことはよくあります。

そんなとき、時間の無駄だった、と思ってしまいがち。たとえ一度やってダメでも、シチュエーションを変えてやってみたらどうだろう? 言い方を変えてみたらどうかな?など試行錯誤する時間と心の余裕を持ちたいもの。それでも思ったような結果にならなくても、誰が悪いわけでもないのです。いろいろトライしてみた自分を褒めましょう。

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