地デジ化後には「スマートテレビ」革命が加速する!《特集・テレビ新世紀》


しかし、BSで増えるのは総務省の縛りにより、ほとんどが有料番組。地上波テレビ局はその優位性を守るため、系列にある新聞社と合わせた強烈な政治力を使って、巧みに新規参入者の力を削いできたが、その伝統は健在だ。

民放大手から出資を受けるマルチメディア放送の二木治成社長は「長時間の放送を携帯電話の画面で見る需要は多くないため、15分程度の短めの放送が主体」と語り、既存の放送ビジネスと競合しない新市場の開拓に勤しむ。

つまり、BS多チャンネル化、新メディアの登場は一見、競争激化だが、実は総務省の庇護下にある放送・通信の大手事業者がままごとのように行う競争だ。

ところが、大きな変化は業界の外から起こる。それがインターネットを通じた動画配信だ。

昨年11月にはユーチューブに尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件の映像がアップされ、ニコニコ動画には有力政治家が出演した。テレビ局をスルーして個人の手元に届く映像コンテンツの中には、有用なものが急増している。
 
 既存のテレビ局が放送(ブロードキャスト=“広く投げる”)しなくても、有用な映像コンテンツはツイッターやフェイスブックのような情報共有サービスを通じて伝播する。“広く投げる”役割はネットにも担えるのだ。

『週刊東洋経済』2011年2月19日号・特集「テレビ新世紀」(2月14日発売)では、このパラダイムシフトに怯えるテレビ局の苦悩と、新メディアの熱気あふれる躍進ぶりをレポートした。また地デジ対策のほか、最新の薄型テレビの技術動向も紹介している。
(週刊東洋経済編集部 写真:梅谷秀司)

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