日本で繰り返すドーナツ人気「3つの大きな節目」 日本のドーナツの歴史を変えたのはミスド
「アメリカのドーナツは非常に甘くサイズも大きいが、日本でレストランのシェフの料理技術と繊細なパン製造技術を融合すれば、天然のフレーバーをグレーズに使った豊かな食感のドーナツができるのではないか」と構想。また、ドーナツはコロナ禍などでふさいだ雰囲気の中で、人を笑顔にする食べ物としても魅力があり、社会に貢献できると考えた。
ドーナツの販売を始めたことは、同社にとっても新しい視点を獲得するきっかけもになった。金子社長は、「BC品を売ることはコロナ禍にとどまらない、農家さんの課題です。ジャムやジュースへの加工は珍しくありませんが、レストランとして、農家さんが一番食べてほしい状態でドーナツやジェラードに加工すれば、価値を高めることができる」と話す。果物を加工するため、同社は2021年5月、池袋にセントラルキッチンも作り、「新たな雇用を生み出すことができました」(金子社長)。
日本の「ドーナツ史」を変えたのは
日本でドーナツは、戦前からレシピが紹介されていた。オーブンを使わないので、家庭でも作りやすい。また、牛乳や卵、小麦粉、砂糖を使った素朴な味が愛されてきた。中にクリームを入れる、グレーズをかけるなど、さまざまな味のバリエーションを作れることが知られたのは、1971年にミスタードーナツが日本に上陸してからだろう。
それでも長い間、ミスタードーナツ以外は、砂糖だけをかける、あるいはトッピングなしのシンプルなドーナツが家庭で作られ店でも売られてきた。クリスピークリームドーナツは、おしゃれさでミスタードーナツの上を行き、目新しかったことが流行の要因として大きかった。
コンビニスイーツは、2010年頃からクオリティーの高さで注目されるようになっていたうえ、何しろ店舗数が多く全国にあるので、一度人気になれば強い。ドーナツが販売されると、再びブームになったのもうなずける。
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