頭のいい子が育つ「図形・空間認識」パズル3選 「イメージする力」の差が学びにさらに差を生む

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答え

真上からの図を見て、林立するビルを想像できるか、という問題です。「Gが左、Fが右に見えて、真ん中にEってことは……」と理詰めで考えると同時に、頭の中に映像化した上で、問題の図と比べて決定します。

この能力は、地図を読み解くときにとても役に立つものです。カーナビ上に表示されるコンビニが、これから通る道路の左右どちらにあるのか子どもに読み取ってもらう。あるいは、電車でどこかに行くとき、車窓から海を眺めるにはどちら側に座ればよいか考えてもらう。日常の子どもとのコミュニケーションの中に、この能力への関心を育む機会はたくさんあるでしょう。 

第3問
布に針を通して、ぬい目を入れました。
以下の文の( )に入るものを①~④の中から選んでください。
「表から見ると(  )、裏から見ると(  )のようにぬい目が入っています」
ただし、大きい黒丸は針が最初に入ったところ、小さい黒丸は針が最後に出たところです。

抽象的な思考だけで解くのはかなり困難

答え
「表から見ると( ② )、裏から見ると( ④ )のようにぬい目が入っています」

シンプルですが、やってみると難問であることがわかります。抽象的な思考だけで解くのはかなり困難で、多くの人は具体的に状況を想像する必要があるでしょう。特に、「裏」の場合、反転させる状態をしっかり「動く映像」として想像できないと、描ききれずに困ることになります。また、裏面のどこに糸が見えるのかも、想像する必要があります。

『考える力がつく算数脳パズル なぞぺー① 改訂版』(草思社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

②は、問題の図を、布の面に垂直な線を軸に180度回転させた図になっています。④は長辺に平行な線を軸にして、反転させたもの。

苦手ならば、この場合も、やってみることが近道です。実際に布をぬってみると納得できるでしょう。

先に述べたように、図形・空間の問題は、できる人には当たり前でも、できない人にうまく教えづらいものです。このため、子どもが解けないでいると、つい、「何でわからないの」とネガティブな言葉をかけてしまいがちですが、それではせっかく芽生えかけた興味の芽を摘み取ることになってしまいます。

高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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