養老渓谷が旅ヨガ、和アロマで人を集められた訳 地域おこし活動に支援金、地元の若者も参画へ

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掘エミイさん(左)と大学生の櫻木七緒さん(筆者撮影)

商品作りにあたっては地元のデザイナーや大学生など多くの若者が参画した。ブランド、商品づくりを通じて地域の若者たちと里山のポテンシャルを共有した格好だ。「野奏樹」関連商品は、養老渓谷の超高級旅館での取り扱いが決まるなど、じわじわと支持が広がっているという。

 そして昨年11月には、クロモジティーや地元の山間部で焙煎しているコーヒーなどを提供するカフェと、野奏樹関連商品販売、里山情報発信の場としての拠点「サトモノ屋」を養老渓谷駅前の街道沿いにオープンさせた。

次のステップに向けてクラウドファンディング

地域おこし協力隊としての活動は、このほかにも、田んぼや畑を子どもたちの「新たな学び場」としてとらえ直し、里山農業体験を通じて、子どもたちの”育てる力”を育てる「畑のがっこう」プロジェクトにも取り組んできた。そんな地域おこし協力隊メンバーとしての任期も今年6月下旬で終了する。今後は、基本的には独自の力で事業を進めていかなければならない。不安はないのだろうか。

「市原市の地域おこし協力隊は、事業をすべて任せてくれるフリーミッション型で、とてもやりがいがありました。最近はこの辺りにも地域おこし活動に取り組む30前後の方が増えてきていまして、それぞれがコミュニティーを作ってさまざまな形で活動を展開しています。根っこにある思いは共通していますので、そういった人たちと緩やかな連合体を構築しながら、協力し合って地域おこしの取り組みを行っています。

幸い、今は地方活性化に社会の目が向いていています。自分の感性がどこまで通用するのか、時代の波をつかみ、乗り越えていけるのかどうか。進むだけですね。自分がやっていることは、地方だからこそできることなんだと面白味を感じています」

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