養老渓谷が旅ヨガ、和アロマで人を集められた訳 地域おこし活動に支援金、地元の若者も参画へ
房総半島ど真ん中の「養老渓谷」で、地域おこし協力隊のメンバーとして、過疎化と高齢化が進むみなみ市原に移住して、里山の活性化に取り組むヨガ講師の掘エミイさん。養老渓谷駅前の彼女の拠点で、地域おこし活動の現状、移住先の実態などをじっくり聞いた。
2019年6月に市原市の地域おこし協力隊に正式に着任した掘さんは、母親が購入していた養老渓谷駅から10分ほどの加茂地区にある家に移住して活動を始めた。
掘さんが、ひと回り下の30歳前後の若者らと協力して行っている地域おこしの”現場”は、人口減少と高齢化に歯止めがかからない。山手線内よりも広大な加茂地区(養老渓谷がある市原市南部)の人口は、10年前の6007人から4671人に1336人も減少(4月1日現在)。高齢化率は39.1%から52.2%まで上昇し、年少者比率(15歳未満)は6.5%から4.4%になってしまった。
魅力を生かせず過疎化が進む
若い女性の流出も深刻だ。空家は増える一方で、耕作放棄地が増え、手入れが行き届かない山も荒れていく。このままでは集落の機能はどんどん低下し、消滅危機の言葉が現実味を帯びてくる。そんな危機的状況に直面している。過疎化が進む日本の中山間地を象徴しているかのようだ。
魅力にあふれていながら、その魅力を生かせないまま衰退に向かっている。そんな地で掘さんが最初に取り組んだのは「旅ヨガ」だった。四季折々に豊かな表情を見せるみなみ市原の里山風景を楽しみながら、1~2時間のヨガレッスン体験を通して、土地の空気感をじっくりと味わうヨガツーリズムだ。
1回のレッスンで訪れるのは1カ所のみ。菜の花畑であったり、養老川のほとりだったり、お寺だったり。ヨガの後は食事やお茶、そして地元の方や移住者の話を聞く時間も。ヨガ体験だけにとどまらず、里山の文化や歴史に触れてもらうというイベントだ。
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