テレビがGWの混雑を喜々として報じる意外な訳 制作サイドにも視聴者にも楽しめる要素がある
ちなみに「羽鳥慎一モーニングショー」が渋滞回避術や渋滞イライラ解消法などを放送していましたが、テレビを見ている側の人々にこれを試す機会はめったにないでしょう。ネット上の声を見ていると、むしろ「そんなことで渋滞は回避できないし、イライラは解消できないよ」とツッコミを入れて楽しんでいるケースのほうが多いものです。
情報番組の出演者やスタッフにとってのゴールデンウィークは、いつも通り働く日であり、人の休みを少しうらやむ日。「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹さんなど長年携わっている人は「休んだことがない」とぼやいていますが、だからこそ彼らにとって混雑状況を報じることは、家で見ている視聴者以上のガス抜きになるのです。
悲喜こもごもの家族ドキュメント
最後に、出演者たちがゴールデンウィークの混雑状況をうれしそうに伝えるもう1つの理由を挙げておきましょう。
それは情報番組の特集としてのメリット。まずゴールデンウィークの混雑状況は風物詩であり、時事性を反映したニュースとして情報番組の役割に合致するものです。
次に、駅、高速道路、空港、観光スポットなどのさまざまなロケーションを扱えるため、映像に変化や躍動感が出やすいこともメリットの1つ。作っているスタッフは映像の手応えがあり、それを伝える出演者はリアクションが取りやすいところがあります。
さらに大きいのは、悲喜こもごもの人間ドラマ、特に家族のドラマが撮れること。元気いっぱいの子どもと疲れ切った表情の親、あまりの混雑ぶりに親を責めはじめる子ども、運転手の父親以外は全員寝てしまう家族……。「遊びに行かない」視聴者側が楽しめるゴールデンウィークならではのドキュメンタリー映像と言ってもいいでしょう。
在宅率が低い連休とは言え、それでも平日より視聴率は上がっていますし、その意味でも、彼らはゴールデンウィークの混雑状況をうれしそうに伝えているのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら