電動アシスト自転車は「通学の足」になる? ブリヂストンサイクルが狙うユーザー層拡大
アルベルトeは後輪をベルトドライブで駆動するだけでなく、前輪にもモーターを組み込んで駆動させる両輪駆動。前輪の空回りを検知して電動でのアシストをストップするスリップ制御機能や、ブレーキを少ない力で支援してくれるブレーキアシストシステムを搭載するなど、”通学仕様”を意識して工夫を凝らした。3段変速と5段変速の2種の計3車種で初年度の販売目標は4000台。2014年にアルベルトは8万台販売しており、これに電動アシスト自転車を加え、2019年までに年間販売10万台を目指す。
国内で電動アシスト自転車を販売する会社は3社で、ブリヂストン子会社で国内首位のブリヂストンサイクル(売上高455億円)、パナソニックサイクルテック(同267億円)、ヤマハ発動機(同194億円、電動アシスト事業のみの金額)。このうち、ブリヂストンはヤマハに車体を供給し、ヤマハからは電動アシストユニットの供給を受けるという補完関係を築いている。このため電動アシスト自転車は実質的に、ブリヂストン・ヤマハ連合とパナソニックの競争となっている。
自社開発システムの拡大に意欲
だが今回、ブリヂストンサイクルが自社開発した電動アシストユニット搭載の自転車を発売したことで、これまでの競争関係が変わりそうだ。ヤマハからのユニット供給は、「今後も続けていく。自社ユニット搭載と棲み分けていく」(ブリヂストンサイクル)という。とはいえ、佐藤慎一社長は、「さまざまな用途に合ったBSデュアルドライブ(両輪駆動の電動アシストシステム)の機種を開発して出していきたい」としており、自社ユニット品比率を徐々に高める姿勢だ。
同社は新たに投入する電動アシスト自転車を、鉄道やバスが廃線となった地方都市での通学手段としても訴求していく方針。通常のアルベルトも約6万円と通学用としては高価な自転車だが、アルベルトeはその約2倍の価格になる。果たして、”破格”の自転車は新たな通学手段としてどこまで普及するのか。
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