「サーティワン」コロナ禍で売上を伸長できたワケ アイス専門店の次は「スイーツ専門店の市場」
こうした「選べる楽しみ」を提供するために、同社では毎月新作を発表しており、これまでに日米合わせ1300以上のフレーバーを発売してきた。
「世の中のトレンドを意識しながら新作を開発しています。実はフレーバーに関しては、年に1回、国際的なサミットを開催し、グローバルに意見交換をしているんですよ。また、多くの種類を扱う中で、尖った商品、変わった商品も展開していくのがサーティワンらしさと考えています」(若林氏)
例としては2021年4月に発売した「小倉トースト」や、お酒の雰囲気が楽しめる「ダイキュリーアイス」などが挙げられるそうだ。また今年4月に発売された「アマーロ アフォガート」も、コーヒーの苦みが利いた大人味のアイスだ。
そのほか、2021年7月には同社として初めて他社とのコラボレーションを行い、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」とのコラボ商品を期間限定発売。柿の種については専用の機器を用いてふりかけにし、アイスにトッピングするというユニークな試みを取り入れた。コラボの意図について若林氏は次のように説明する。
「アメリカ発祥のチェーンと日本の米菓メーカーのコラボとして話題性を狙いました。一つには、フレーバーのマッチングを伝えたかった。また、ふりかけを作りトッピングしたり、ベストな組み合わせを考えるなど、サーティワン アイスクリームのことを考えていただける時間が増えることを期待しました」(若林氏)
コストは年間4億円を超える
他社とのコラボレーションは、裾野を広げるためにも今後も積極的に検討していきたいという。
最後に、商品の魅力の一つを成す価格について、キム氏は次のように考えているという。
「コストが年間4億円をはるかに超えるほど上昇しています。しかし商品の価値とは価格とのバランスで成り立っているもの。仮に価格が上がれば、価値が下がりお客様が減少してしまいます。ですから、コストを価格に転換させないよう経営努力によって吸収していきたいと考えています」(キム氏)
具体的には、本部のデジタル化や工場の効率的な運営などが挙げられる。本社についてはキム氏のもと、フリーアドレス、デジタル化、会議のオンライン化など大幅な刷新が行われたそうだ。オンライン化については、意思決定の迅速化のほか、現場のメンバーを含む会議が可能になったことで、若手のアイデアが運営に活用されるなど、業務の効率化やリフレッシュにもつながっているようだ。
全国に1250店舗を展開し、身近なイメージのあるサーティワンアイスクリーム。その親しみやすさはそのままに、大きな変身を遂げていきそうだ。
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