一般家庭もそうだが企業も金がなければ極端な話、破綻してしまう。そんな企業の財務健全性を示すのがネットキャッシュだ。現預金と短期保有の有価証券の合計額から、有利子負債と前受金を差し引いて算出する。企業の実質的な手元資金であり、これが多いほど財務的な安全性が高い。
東洋経済オンラインは約3700社以上の上場企業のネットキャッシュを割り出し、上位500社をランキングにしている。例年同じ内容のランキングを公表しているが、今回は地域別の上位企業をまとめた。第一弾として東京都に本社を置く上位300社を紹介する。
有力企業が並ぶ
トップ10圏内にはもちろんながら財務体質が良いだけではなく、収益力の高い優良・有力企業が並んだ。
覚えている人も少なくないかもしれないが、2008年秋のリーマンショック時に頻発したのが「黒字倒産」だ。決算上の業績は黒字なのに資金繰りが急速に悪くなった企業が何社も倒産した。逆にいえば、本業がいくら赤字であってもキャッシュが回り続けていれば、企業が潰れることはない。
一方で、ネットキャッシュが積み上がっていることだけを単純に喜べない。成長のための投資や株主への還元という意味で、手元資金を持て余しているという見方もあるからだ。それでは、今年の東京都版のランキングを見ていこう。
【2022年5月2日14時52分追記】初出時のランキング上位にあったソニーグループを金融部門の比重などを鑑みてランキング対象から外し、記事本文なども修正しました。51位以下のランキングは初出時のままとしています。