1月13日に配信した「最新!これが『金持ち企業』トップ500社だ」には、多くの反響が寄せられた。
同ランキングでは、企業の財務健全性を示す指標として、ネットキャッシュ(現預金+短期保有有価証券-有利子負債-前受金)が多い会社を抽出したが、今度はその逆。手元資金に対して借り入れが大きい=ネットキャッシュのマイナスが大きい上場企業の上位500社になる。
各社の財務諸表に記された各項目から、ネットキャッシュを割り出した。例年同時期に同じ内容のランキングを公表しており、その最新版となる。
なお、自動車メーカーは自動車金融(ローン)事業を持っており、ネットキャッシュを計算すると見た目のマイナスが大きく膨らみ、実態を正確に示せない。そのため、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車などは前回に続いて今回もランキング対象外とした。金融系企業も原則除いている。
【2022年1月18日16時10分追記】初出時、ソフトバンクグループをランキングに含んでいましたが、投資事業が大きいため対象から除外し、表や本文等を修正しました。
ランキング上位は重厚長大産業が目立つ
上位にはインフラ系や総合商社、不動産、鉄鋼メーカーなど、いわゆる重厚長大産業が目立った。ネットキャッシュのマイナスが1兆円以上は36社、同1000億円以上は175社だった。
ネットキャッシュのマイナスが大きいと財務の安全性が不安視されるかもしれないが、歴史的な低金利が続く中、借り入れを活用し、事業拡大のための投資に振り向けることは理にかなった経営スタイルだ。その一方、先行き不透明なコロナの影響によっては、決算上の業績は黒字なのに資金繰りが急速に悪化してしまう会社もありそうだ。