自民党・小野寺氏「日本に反撃能力が必要な理由」 「中露北3カ国連携の複合事態へ危機感持つべき」

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小川淳也氏(立憲民主党政調会長):私どもも法理念的には全面否定しない。専守防衛の範囲内でやられるまでずっと待つということであってはならないとの考え方だ。ただ、今回の自民党の考えの取りまとめは、ずいぶん前のめりだし、議論が荒っぽいという感じはしている。小野寺さんの話だと、つまり日本は弾道ミサイルを持つということか。

小野寺氏:いや、違う。弾道ミサイルではない。現在日本が持っているのは長射程のミサイルで、弾道ミサイルではない。どういう(反撃)能力を持つかは、今後自衛隊がしっかり対応する。現時点の想定は通常の長距離ミサイルだ。

小川氏:射程約900kmのスタンド・オフ・ミサイルということか。

長距離ミサイルと防衛費「対GDP比2%以上」

小野寺氏:長距離まで届くものを持たなければならない。自衛隊員が安全に任務を遂行するためには、対空脅威の外から攻撃する必要がある。そうでないとやられてしまう。隊員が安全に任務を遂行し、相手の能力を食い止められるものだ。相手の領土から直接攻撃してくる場合、そこを止めないとやられ続ける。それを何とかさせてほしいということだ。基本は変わらない。

(画像:FNNプライムオンライン)

小川氏:今のウクライナ情勢に照らせば、つまりウクライナ軍はモスクワを攻撃すべきだという議論だ。いかほどの覚悟と、いかほどの犠牲を伴ってその議論をしているのか。防衛費「対GDP比2%以上」の財源はどうするのか。子ども予算を減らすのか、教育予算を減らすのか、増税するのか。5年間で10兆円だ。理念的には全面否定しないが、どこまでリアリティーをもっているのか。この議論の出元は安倍晋三元首相だ。あおる安倍氏とあおられる自民党という構図に対して、私どもには抑制的な議論をする責任がある。

小野寺氏:あまりにも議論が乱暴すぎる。属人的な話ではない。

小川氏:私の質問に答えてほしい。弾道ミサイルを持つということなのか。5兆円の防衛費増はどうやって実現するのか。

小野寺氏:基本的には長射程のものを持つということ。さまざまな装備がある。今まずこの問題で議論しなければいけないのは、なぜウクライナがロシアから攻められたのかということ。2つ理由がある。1つは、プーチン大統領は「ウクライナは弱い」と考えた。戦力の差があると。(ロシアが)攻撃をしても(ウクライナは)対応できないと思われている。もう1つは、やはりアメリカにも責任がある。早い時期にバイデン大統領が(ウクライナと)一緒には戦わないと言った。プーチン大統領から見れば、ウクライナは軍事的には弱く、仲間の国もいない、だから、攻撃をしても大きな抵抗もなく、自分たちの意思を遂行できる、と考え、手を出した。私たちはこれからもずっとこの国を平和な国にしたい。どの国とも戦争したくない。しかし、実際、力の差があり、仲間がいなかったらウクライナのようにやられるのが現状だ。だとすると、日本がなすべきは、まず自分の(防衛)力をしっかりとすること、そして仲間の国と一緒になって国を守ること。NATOを含めて仲間の国は今それぞれ努力をしている。自分たちの防衛力を高めないと、仲間として一緒に守れないのではないか。それでNATO基準GDP比2%以上という数字を出している。それに向けて努力していくことは日本の国際的立場として大事なことだ。

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